F1オーナーであるリバティ・メディアが、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長が行った発言を強く批判した。
最近、リバティ・メディアがサウジアラビアの政府系ファンドである『パブリック・インベストメント・ファンド』から200億ドル(約2兆6000億円)でF1を買収したいとのオファーを受けたことが明らかになった。
■F1買収報道を危惧するコメントを行ったFIA会長
そして、これを受けてベン・スレイエム会長は『Twitter(ツイッター)』を通じて、次のようにコメントした。
「FIAは、モータースポーツの管理者として、非営利団体として、200億ドルにまで膨れ上がった値札がF1に付けられたと伝えられていることを警戒している」
「開催料やその他の商業コストの増加によってプロモーターにとって将来的にどのような影響が生じるのか、そして、それによってファンに悪影響が及ばないかといったことを考慮するのが我々の義務だ」
■FIAはF1オーナーの権利を妨害したとリバティ・メディア
伝えられるところによれば、リバティ・メディアはサウジアラビアからの買収提案を断ったという。しかし、今回、FIA会長がこの問題に対して公的に介入したことに対して、リバティ・メディアはかなり憤っているようだ。
F1チーム10チームすべてに書簡を送ったリバティ・メディアは、その中で自分たちこそがF1の「商業的権利を利用する独占的権利」を有するものだと主張し、ベン・スレイエム会長のコメントは「受け入れられない」ものであり「容認できない方法で我々の権利を妨害した」としている。
■FIAの責任問題にも言及したリバティ・メディア
「さらに、FIAはこれらの権利の所有、管理、活用を害するようなことは一切しないことを明確に保証している」
そう続け、F1の買収問題にFIA会長が口を挟むようなことは「間違っている」と主張したリバティ・メディアは、次のような警告で締めくくっている。
「これらのコメントがリバティ・メディア・コーポレーションの価値にダメージを及ぼす程度のものとなれば、結果的にFIAはその責任を負うことになるだろう」
F1チームとFIAは、このリバティ・メディアの書簡について、現時点ではまだ公式にコメントを出していない。