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佐藤琢磨「勝利にこだわり」常勝チーム「チップ・ガナッシ」へ移籍!インディ500で3勝目に集中、オーバル5戦のみの参戦を決断

2023年01月17日(火)22:07 pm

2023年1月17日、インディアナポリス500(インディ500)で2度優勝している日本人トップドライバー佐藤琢磨がオンラインで記者会見を開き、インディカー・シリーズで過去15年で9回もタイトルを獲得しているトップチームのチップ・ガナッシ・レーシング(ホンダ・エンジン)へ移籍することを発表した。チップ・ガナッシは昨年のインディ500を制覇している最強チームだ。

同時に、佐藤琢磨の2023年はオーバルレースに限定して5戦のみ参戦するという難しい決断を下した。市街地サーキットとロードコースはマーカス・アームストロングが同じ11号車で参戦することになり、1台をシェアすることになる。

■今年46歳でチップ・ガナッシからのオファーは「夢のよう」

F1・インディカーという世界最高峰で20年以上にわたって戦い続けてきて、年齢も今月28日には46歳と大ベテランとなった佐藤琢磨が「自分の言葉できちんと説明したい」とオンラインで記者会見を開催。そして冒頭で、トップチームのチップ・ガナッシへの移籍を発表した。

12月のホンダの体制発表会でも何も発表がなく、年が明けても発表がなく心配されていた。佐藤琢磨は所属していたデイルコイン・レーシングと1年で別れることになり「スポンサーも含めチーム体制が厳しいのを見ていて1年で別れるのは寂しい」と語った。

しかし佐藤琢磨の元には「様々なオファー」が届いていたといい、水面下で交渉を重ねてきた。悩んだものの佐藤琢磨が選んだのは最強チームであるチップ・ガナッシだった。

チップ・ガナッシからオファーをもらったときは「夢のようで、信じられなかった」という。「チップ・ガナッシの強さは際立っていて、全体の持っているパフォーマンスの大きさ、奥行が違う」と評し、ライバルとしてチップ・ガナッシと戦ってきて「倒すのが大変だと思っていた」とチームとしての強さを語った。

■「25年のキャリアでトップチームは初めて」

F1ではBARホンダや、インディカーでもアンドレッティ・オートスポーツなど上位チームで走った経験もある琢磨だが、「25年のキャリアでトップチームは初めてで想像ができない」と語り、「強力なエンジニアリング体制」などチップ・ガナッシのチーム力のすごさを説明するために言葉を尽くして丁寧に報道陣に伝えた。

そしてチップ・ガナッシでは「フロントローだけではなくポールポジション争いができる。チップ・ガナッシのマシンがどんなマシンか楽しみ」と期待を膨らませていた。

佐藤琢磨は強豪アンドレッティ・オートスポーツに移籍した2017年にはインディ500を初制覇しており、チップ・ガナッシに移籍し「オーバルに集中」する今年も優勝候補の筆頭と言えるだろう。

■チップ・ガナッシの最大の目標はインディ500の勝利。ライバルだった佐藤琢磨を高く評価

佐藤琢磨は、年頭のチームミーティングに出席し「チーム最大の目標は選手権ではなくインディ500で勝つことは明確にしている」とチップ・ガナッシはインディ500に勝つことを重要視していると語った。

これまでライバルだったチップ・ガナッシ側も「どんな年でも常に佐藤琢磨がいる。いつも完璧なレースだと思っても必ず佐藤琢磨がやってくる。それならライバルではなくチームに加入してもらいたいと思った」と言われたといい、佐藤琢磨を高く評価しているエピソードを語った。

佐藤琢磨にとっても、チップ・ガナッシにとっても、インディ500制覇を目標としており、強さを見せてきた両者がタッグを組むというのは世界中の注目を集めることになるだろう。

■「勝ちにこだわりたい」

トップチームとはいえ、F1時代も含めてロードコースや市街地コースを走らないで、インディ500を含めて年間5戦しかないオーバルに集中するという選択を決断するには「時間がかかった」といい、難しい選択だったことを明かした。しかし、最終的には「勝ちにこだわりたい」という答えに辿り着き、チップ・ガナッシとの契約を決めたという。

これまでは「オーバルの契約に集中していた」ため、マシンカラーや体制、テスト日数や走らないロードコースでの役割などは「今後チームと話し合って決めていく」というが、エンジニアは決まっているようだ。

■手強いライバルでありチームメイトのスコット・ディクソン

チップ・ガナッシには歴代勝利数2位、現役ドライバー最多勝利数(53勝)、6度のシリーズチャンピオンを獲得し、インディ500も1度制したスコット・ディクソンがいる。チップ・ガナッシ・レーシングのドライバーとして21シーズン目を迎え、チーム史上最長の在籍期間の大ベテランだ。

佐藤琢磨はスコット・ディクソンについて、「リスペクトしているし最大のライバルの一人」とドライバーとしても一目置く存在だ。今季は最高のチームメイトになるが、基本的には全データにアクセスできることからマシンのセットアップには大いに役立ちそうだが、インディ500で優勝できるのは1人だけ。これまではライバルチームだったため手の内を明かさず戦っていたが、今季は全ての情報が開示される関係となり、お互いにさらに手強いライバルになりそうだ。

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