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F1参戦を目指すアンドレッティ・キャデラックにとって理想的なエンジンパートナーはホンダ?

2023年01月06日(金)20:01 pm

5日(木)にアメリカのアンドレッティ・オートスポーツとGM(ゼネラルモーターズ)傘下のキャデラックが共同でF1参戦を目指すことを発表した。

アンドレッティ・キャデラック・レーシングと呼ばれることになると考えられている新チームは、これからF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)との間で新規参戦手続きを進めていくことになる。

■アンドレッティF1チームのエンジンパートナー候補は?

だが、仮にアンドレッティ・キャデラックのF1参戦が認められたとしても、パワーユニットと呼ばれるF1エンジンの製造を自分たちで行うことはできない状況にある。さらに、2026年から導入される新F1エンジンレギュレーションにおける製造者登録もすでに締め切られており、2026年以降もキャデラックが独自にエンジン製造行うことはできない。

つまり、いずれにしても、新F1チームは既存のエンジンメーカーのいずれか、もしくは2026年以降から新たにエンジンサプライヤーとして参戦するメーカーから供給を受ける形となる。

実際のところ、アンドレッティ・オートスポーツを率いる元F1ドライバーでもあるマイケル・アンドレッティは、すでに現在自分たちのワークスチームであるアルピーヌにのみエンジンを供給しているルノーとエンジン供給に関する話し合いをしていることを認めていた。

実際のところ、GMのマーク・ルース社長も次のように語り、社名を明言することはなかったものの、すでに既存のF1エンジンメーカーと、当初はそのパワーユニットを使用することで合意に達していることを明らかにしている。

「我々は、始めるにあたり、パワーユニットサプライヤーと契約を結んでいる。その後は、前進するに従って、我々の専門知識を結集し、将来のためのものを作り上げていくつもりだ」

1991年には現在のインディカーの前身シリーズのひとつであるCARTでチャンピオンとなり、1993年にはマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートを務めたこともある60歳のアンドレッティも次のように付け加えている。

「コラボレーションがもっと増えるだろうと思うよ。ほかのメーカーとのね」

■F1への正式復帰が噂されているホンダも候補に?

これまでの経緯からすれば、そのメーカーとはルノーのことだと考えるのが順当だろう。

しかし、アンドレッティ・キャデラックにとって、現時点で最も理想的なエンジンパートナーはホンダではないかとの推測も出てきているようだ。

公式には2021年シーズンを最後にF1から撤退したホンダだが、その後もレッドブルとそのセカンドであるアルファタウリへのエンジン供給を継続しており、2022年シーズン終盤にはその2チームのマシンに『HONDA』のロゴが復活。ホンダは2025年までエンジン供給を継続することになっている。

さらに、ホンダが2026年以降のパワーユニット製造者登録を行ったことも明らかとなっており、ホンダが正式にF1に復帰する可能性が高まってきていると考えられている。

しかし、レッドブルでは2026年以降は自社エンジン製造部門であるレッドブル・パワートレインズで独自にエンジン製造を行っていく方針であることを明らかにしており、ホンダとのコラボレーションは2025年で終わることになる可能性が高い。ちなみに、レッドブルはフォードとの間で2026年以降のブランディング契約を結ぶ可能性もあると噂されている。

こうしたこともあり、少し前からホンダがF1復帰を目指して、アルファタウリの買収を検討しているようだとの報道も行われているが、これに関してはレッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が否定的なコメントを行ったことも伝えられている。

自社製造エンジンに移行する計画を進めているレッドブルにとって、エンジン面でのフィードバックなどを得るためにはセカンドチームであるアルファタウリの存在価値はこれまで以上に重要となるのは確かであり、実際のところ、レッドブルがアルファタウリを手放す可能性はそれほど大きくはないだろう。

そうしたことを考えれば、ホンダが新たにF1参戦するアンドレッティ・キャデラックと組んで、ワークスエンジンの供給を行うというシナリオも十分に考えられるだろう。

■アンドレッティにとってもホンダとのコラボの方がメリット大?

ルノーと手を組んだ場合には、ルノーにはすでにアルピーヌというワークスチームがあることからアンドレッティ・キャデラックは顧客チームという立場でしかない。だが、ホンダと組めば、ホンダからワークスエンジンの供給を受けることになる可能性が高い。2021年と2022年の実績を見れば、ホンダF1エンジンのパフォーマンスや信頼性はルノーエンジン以上のものであり、アンドレッティ・キャデラックにとっても非常に魅力的なはずだ。

しかも、ホンダとキャデラックは電気自動車に関して長年にわたって提携しており、両社はすでに良好な関係にある。

『motorsport.com』は、具体的にホンダがパートナーとなる可能性について質問されたGMのルース社長は、次のように答えたと報じている。

「EVの部分では、明らかに我々はホンダと大きなパートナーシップを結んでいる」

「だから、我々の間には自然な尊敬と関係があり、そこにまったく問題はない。エンジンについては、また後日話すことにしよう」

仮に、アンドレッティ・キャデラックが当初希望していた通りに2024年もしくは2025年からF1参戦が可能となった場合、その間はルノーをエンジンパートナーとし、その後2026年からはホンダにスイッチするということも考えられないシナリオではないかもしれない。

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