レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、マッティア・ビノットの後任としてフェラーリを率いることになる可能性があるとのうわさを一蹴した。
■フェラーリの次期チーム代表は誰に?
2019年からフェラーリのチーム代表を務めてきたビノットが2022年限りで離脱することが明らかとなったが、これが事実上の更迭であることは確かだ。そして、現時点ではその後任が誰になるのかはまだ明らかになっていない。
フェラーリとの契約が12月31日までとなっているビノットの最後の仕事は、イタリアのボローニャで7日(水)に開催される世界モータースポーツ評議会の会合になると考えられている。
しかし、イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は、これまでレーシングディレクターとしてビノットを支えてきたローラン・メキーがフェラーリの代表として今季のFIA(国際自動車連盟)表彰式において準優勝トロフィーを受け取ることになるだろうとも報じている。
その45歳のフランス人であるメキーもフェラーリの次期チーム代表候補のひとりにあげられているが、それ以外にもアルファロメオのチーム代表であるフレデリック・バスール、今年限りでF1モータースポーツ担当マネジングディレクター職を降りることになったロス・ブラウン、かつてフェラーリでも活躍した元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガー、さらには2005年からレッドブルをチーム代表として率いてきているホーナーなども有力候補ではないかとうわさされている。
■ビノットの離脱を驚いてはいないとホーナー
今年は2013年以来9年ぶりにドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両タイトル獲得に成功したレッドブルのホーナーは、2023年に向けた展望について質問されると、「まあ、フェラーリはチームのほとんどをクビにしたばかりだからね」と冗談交じりに答え、次のように続けた。
「だが、彼らは今年、競争力のある優れたマシンを手にしていたよ」
「メルセデスは今年の選手権では裏方の役割に回ってしまったが、勝てる位置に復帰しようとやる気を見せてくるはずだ」
また、ビノットのフェラーリ離脱のニュースを聞いて驚いたかと尋ねられたホーナーは、次のように答えている。
「驚いてはいないよ、本当にね。私がレッドブルで過ごしてきた間において、彼は私が向き合った6人目のフェラーリ代表だったんだ」
「今年の彼は困難な状況を抱えてしまった。速いマシンを手にしていたにもかかわらずね」
■フェラーリ移籍のうわさは完全否定
うわさでは、フェラーリF1チームのトップに就任する可能性がまだ残されていると言われているホーナーだが、『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』からそのことについて質問されると、次のように主張した。
「私はレッドブルに完全にコミットしている。私は最初からここにいるし、もちろん、とても強い絆を感じているよ」
現在49歳のホーナーは、世界的エナジー飲料メーカーである『レッドブル』がジャガー・レーシングを買収し、レッドブル・レーシングとしてF1への挑戦を開始した2005年に31歳の若さでチーム代表に抜擢。以来今年まで18年間にわたってチーム代表を務めてきており、現在のF1チームにおいては最も長命のチーム代表となっている。