F1が2022年に導入した新空力ルールについて、エイドリアン・ニューウェイは考えを改めたのだという。
■当初は否定的だったが考えを改めた
従来のダウンフォースから現在の“グラウンドエフェクト”へとマシンが大きく変化する前、レッドブルのニューウェイは「恥」と非難していた。「まったく新しいレギュレーションを作るのなら、それが正しいかどうかを確認するべきだと思う。そして、このルールはそうではないんだ」と、2021年に発言していた。
マックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さで2年連続ドライバーズタイトル獲得と、レッドブルは2013年以来のコンストラクターズタイトルを獲得した今、ニューウェイは『Auto Motor und Sport』に、自分が間違っていたことを語った。
「2年前に初めてルールを読んだとき、本当にイライラしたんだ。彼らは非常に制限的に見えた。正直言って、考えを改めざるを得なかった」
「シャシーとフロントウイングは非常に狭い枠の中にあるが、意外と自由度の高い部分があるんだ。サイドポッドとフロアだよ」
「サイドポッドの形状の違いも、ファンにとっては見分けがつきやすいので、いいことだと思う」
■抜け道を見つけたメルセデスには本当に驚きだった
ニューウェイは、2022年のマシンが目に見えて異なるということは、チームがまだ新しいレギュレーションに頭を悩ませていることを示していると語った。
「つまり、どのチームも絶対的に正しいとは言えず、もっと良いものがあるはずなんだ。メルセデスは本当に驚きだった。その抜け道を見落としていたけど、彼らは1年でどんどん良くなっていったからね」
■新ルールはエキサイティング
実際、新しいルールはチームにとって「急な学習曲線」であるため、実は古いルールよりも「よりエキサイティング」だとニューウェイは認めている。
「昨年のマシンは、長い開発プロセスの産物だった。レギュレーションは何年も前からあったし、常に変更はあったけれど、すべてが同じ原理で動いていたんだ」
今年は22戦中17戦でレッドブルが優勝したが、ドライバーたちは前のマシンについていきやすくなり、オーバーテイクが容易になったことに同意している。
■ベストは我々ではないかもしれない
ニューウェイはまた、新しいルールが最速チームと最遅チーム間には期待されたような大きな初期のギャップをもたらさなかったと考えている。
「当初は我々とフェラーリの2チームが同じレベルにあったが、シーズン終盤にはメルセデスが強くなってきた。正直なところ、もっと大きなギャップを期待していたんだ」。
ニューウェイはまた、予算上限があることで、将来にわたってクルマが大きく異なり続けることを保証すると考えている。
「メルセデスのコンセプトを詳しく見る時間がなかったんだ。予算が制限されれば、このような贅沢はできなくなるからね。メルセデスの場合、そのコンセプトが永続的な成功を収めたときだけ、みんなが真似をするということになるだろう」
「我々は、自分たちのコンセプトを一番よく知っているからこそ、これからも開発を続けていくよ。しかし、我々のやり方がベストであるかどうかは、あえて言わない。もっといいアイデアを持った人がすぐ近くにいる可能性は十分にある」
「ダブルディフューザーを考えてみてくれ。あの抜け道は昔からあった。ただ、発見されなかっただけなんだ」。