シャルル・ルクレールが、現在のフェラーリF1チームの課題を指摘するとともに、将来的にほかのチームに移籍する可能性もあることを示唆するようなコメントを行った。
モナコ出身のドライバーである25歳のルクレールとフェラーリが結んでいる現在の契約は2024年までとなっている。
F1通算では5年目、フェラーリでは4年目のシーズンとなった2022年は、シーズン序盤こそチャンピオン候補筆頭にあげられていたものの、その後はレッドブルのマックス・フェルスタッペンに水をあけられてしまい、念願のF1タイトルには手が届かなかった。
■課題はエンジニア間のコミュニケーションのあり方だとルクレール
それでも、2022年シーズンを自己最高位となるドライバーズランキング2位で終えたルクレールは、今年は「浮き沈みがあった」とフランスの『L’Equipe(レキップ)』に語り、次のように付け加えた。
「最大限にプッシュすれば、ミスも起こり得るよ」
しかし、今年のフェラーリにミスが多かったのは事実であり、その結果としてチーム代表のマッティア・ビノットが更迭される可能性もあると報じられている。
そのうわさについて質問されたルクレールは、次のように続けた。
「僕は、それについては考えないこと、そしてコメントしないほうがいいことを学んだんだ」
「だけど、一般的に、誰にとってもベストなアプローチは、みんなが同じ考え方を持って一緒に正しい決断をすることだよ」
「それは、必ずしも人を変えるということではなく、エンジニア間のコミュニケーションのあり方を明確にする必要があるということさ」
■自分たちの決断が正しかったかどうかは「2023年にわかる」とフェラーリのボス
一方、ビノットは、2022年にレッドブルとの戦いに敗れた理由を次のように説明している。
「確かに、我々はミスを犯した。だが、速くて信頼性の高いクルマがあれば、それをうまく隠すこともできるものさ」
「レッドブルにはより明確な道筋があったんだ。彼らはマシンの重量を減らすだけでよかったからね」
「我々にとってはもっと困難だった。我々は空力コンセプトを改善しなければならなかったんだ」
「2022年から2023年に向けた優先順位に関して行った我々の決断が正しかったかどうかは、2023年になってからわかるだろう」
■チーム内の序列は自分ではコントロールできないとルクレール
だが、F1関係者の中には、ルクレールが不機嫌なままシーズンを終えたことに気づいた者もいたようだ。そして、その理由は、レッドブルではフェルスタッペンが明確なナンバー1として処遇されていることをうらやましく思っているからではないかとも考えられている。
レッドブルでは、25歳のオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンを中心としたチーム運営が行われていることは誰もが知っているところだ。しかし、フェラーリではドライバー間に序列はないという主張を繰り返してきている。
そのことついて質問されたルクレールは、次のように答えている。
「それは、僕個人ではコントロールできないことだよ」
「だから、僕は自分のドライビングのように、自分でコントロールできることに集中するほうがいいと思っている。そして、こうしたことは内部で対処されるよ。僕が必要だと感じたらね」
■現時点での目標はフェラーリで勝つこと
こうしたコメントは、聞き方によっては、ルクレールが将来的にはフェラーリを離れることにも前向きであるようにも聞こえるかもしれない。
「2024年はまだ先だよ。フェラーリでの時間はまだ残っている」
そう語ったルクレールは、次のように付け加えた。
「このチームはずっと僕の夢だったんだ。今のところ僕の目標はフェラーリで勝つことだけど、どうなるかな。僕はここ満足しているし、彼らと一緒に勝ちたいと思っているよ」。