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【F1サンパウロGPレポート】ラッセル、ポールトゥウィン&ファステストラップでF1初優勝!ハミルトン2位でメルセデス1ー2!3位サインツ、クラッシュやバトルの多い白熱したレース、角田裕毅はセーフティカー中に順位を落とし17位

2022年11月14日(月)6:30 am

2022年F1第21戦サンパウロGP(ブラジル、アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ)の決勝レースは序盤からクラッシュが多発し荒れたレース展開になったが、ポールポジションからスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)が危なげなくレースをリードし、F1参戦81戦目でキャリア初優勝を果たした。2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)で、メルセデスは今シーズン初のワンツー・フィニッシュを達成した。また、ラッセルはファステストラップも記録し、素晴らしい週末となった。

●【2022F1第21戦サンパウロGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

■スターティンググリッド:角田はピットレーンスタート

角田裕毅(アルファタウリ)は、初日からセッティングに苦労してペースが上がらずスプリントでも苦戦。そのため、アルファタウリF1はレース前に禁止されているセッティングを変更を決断。フロア、フロントノーズ、リアウイングの交換やセッティングの変更をしたことでピットレーンスタートになった。

この他、カルロス・サインツ(フェラーリ)はPU交換により5グリッド降格が決定していたため、7番グリッドからスタートする。

トップ10は7台がソフトタイヤを選択。ミディアムタイヤを選択したのは、フェラーリ勢とケビン・マグヌッセン(ハース)の3台だ。ピットレーンスタートの角田裕毅も追い上げるレース展開に備えてミディアムタイヤでのスタートを選択した。

■決勝レース:1周目からクラッシュ!2台がリタイア

メルセデス勢が今シーズン初めてフロントロウからスタート。混乱したオープニングラップでは、1周目のターン8でダニエル・リカルド(マクラーレン)がケビン・マグヌッセン(ハース)を突いてしまい、マグヌッセンがスピン。リカルドはその脇をすり抜けようとしたが、マグヌッセンと当たってしまい2台ともリタイアしてしまった。

ここでセーフティカーが導入された。

■7周目:上位勢もクラッシュ!2台に5秒ペナルティ!

その後、7周目にレースが再開したが、今度はターン1に並んで飛び込んでいったイン側のルイス・ハミルトン(メルセデス)とアウト側のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だったが、ターン2で2台は接触しコースアウト。ハミルトンは走行を続けたものの、フェルスタッペンはフロントウイングにダメージを負ったためピットインし順位を落とす。

同じ7周目のターン7では、イン側のランド・ノリス(マクラーレン)が縁石に乗った際にアウト側に膨らんでしまい、アウト側で並走していたシャルル・ルクレール(フェラーリ)に接触。ルクレールはスピンしてバリアに突っ込んだが、運良く動き出すことができ、ピットインしてレースを続けている。

ここまでの接触で、フェルスタッペンとノリスに5秒ペナルティが出された。

■短いコース、各所でオーバーテイク

各マシンはソフトからミディアムタイヤ、またはミディアムからソフトタイヤと交換し、順位は目まぐるしく入れ替わる。インテルラゴス・サーキットはコースが短いため、各マシンはDRSを使ったり、新しいタイヤを履いたマシンがオーバーテイクをしていくという展開で、順位変動が繰り返されながら71周のレースは進んでいく。

角田裕毅は、ミディアムタイヤで20周、ソフトタイヤで20周、再びソフトタイヤで走行中だ。

■52周目:VSCからセーフティカー!

52周目、ランド・ノリス(マクラーレン)が「ロスト・パワー(パワーを失った)」と伝えると、ターン10でストップ。コンストラクターズ選手権4位を狙っているマクラーレンだったが全滅だ。今日が誕生日のノリスはコース脇でがっくりと肩を落とす。

ここでバーチャルセーフティカー(VSC)が導入された。

VSCの時点でのトップ3はラッセル、サインツ、ハミルトンだ。

メルセデス勢はソフトタイヤで、サインツはミディアムタイヤだったため、フェラーリはソフトタイヤへの交換を決断し54周目にサインツをピットインさせた。

これでトップ4はラッセル、ハミルトン、ペレス、サインツという順になった。

しかしVSCでは思うようにノリスのマシンの撤去が進まず、安全かつ迅速に撤去するため、55周目にVSCからセーフティカーに切り替わった。

セーフティカー先導のままレースは進み、トップ10は、1ラッセル、2ハミルトン、3ペレス、4サインツ、5ボッタス、6ルクレール、7ベッテル、8オコン、9アロンソ、10フェルスタッペンという隊列だ。角田裕毅は17番手の最後尾だ。

■オコン、アルピーヌの意向に反論

コンストラクターズ選手権4位のアルピーヌは、ライバルのマクラーレンが2台ともリタイアしたことで、ここで2台を確実に完走させてポイントを持ち帰りたい。そのため、古いタイヤの7位オコンに対して、新品タイヤの8位アロンソとバトルをしないよう促すが、レースがしたいオコンはそれに反論。アルピーヌとしては頭の痛い問題だ。

■角田裕毅、セーフティカー中に2つ順位を下げる

セーフティカー導入中、周回遅れのマシンはセーフティカーを追い抜きが許可され隊列の最後尾に着くように指示が出る。

16番手アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)と17番手ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)はセーフティカー追い抜きの許可が出されるが、15番手の角田にはその許可が出ていない。これにより、セーフティカー下にも関わらず、角田は17位へと順位を下げることになり最下位でレース再開を待つことになった。

■60周目:残り12周の手に汗握るバトル

60周目にレースは再開。前から5番目に残された角田裕毅はイン側の汚れたピットウォール沿いを走り、上位勢を前に行かせる。

ターン1では7番手ベッテルにオコンが仕掛けてオーバーテイク。チームに対して実力を見せつけるかのようだ。

続くターン4ではアロンソもベッテルをパスして、オコンのすぐ後ろにつける。アルピーヌ陣営はヒヤヒヤしていることだろう。

そしてターン10でアロンソがオコンをオーバーテイクして7番手に出た。

61周目、アロンソの勢いは止まらず、ターン6でボッタスをパスすると、ペースを上げてフェラーリ勢を狙うがその差は1.2秒。

62周目からDRSが使用可能となり、3番手ペレスから6番手アロンソまでがDRS圏内で走行。

63周目、ターン4でサインツがミディアムタイヤのペレスをオーバーテイクして3番手へ浮上。後ろでは、ターン1でフェルスタッペンがオコンとボッタスを一気に2台抜きして7番手に浮上した。

64周目、ターン1でルクレールがペレスをパス。ミディアムタイヤのペレスはソフトタイヤ勢を抑えることができず厳しい戦いになっている。そのペレスにアロンソがピッタリとつけ、チャンスを伺う。

65周目、ターン4でアロンソがペレスをパスして5番手に浮上した。ペレスのすぐ後ろにはソフトタイヤでペースアップするフェルスタッペンが続く。

後方では、ターン1でミック・シューマッハ(ハース)のインにピエール・ガスリー(アルファタウリ)が飛び込んでオーバーテイク。しかし、シューマッハはターン2でわずかに接触しながらも抜き返して意地を見せた。

66周目、フェルスタッペンの担当エンジニアは「アロンソとルクレールのポイントを奪ってやろうぜ」とフェルスタッペンに伝える。つまり、レッドブルとしてはペースの上がらないペレスを後ろに下げて、フェルスタッペンを前に行かせようという戦略だ。

しかし、ドライバーズランキング2位のペレスはこのまま6位フィニッシュすれば8ポイントを加算して292ポイント、一方ランキング3位のルクレールはこのまま4位フィニッシュをしても12ポイント加算して290ポイントとなり、ペレスはまだランキング2位を守ることができる。

67周目、ターン1でフェルスタッペンはペレスをオーバーテイクし、5番手アロンソと4番手ルクレールを追う。

ランキング2位を獲りたいルクレールは「この状況だったら選手権を考えてよ」とチームに対して伝え、3番手を走行しているサインツに表彰台を譲るよう促す。しかし、サインツもハミルトンとランキング5位を争っており、表彰台を譲ることはなさそうだ。

70周目、フェルスタッペンは猛チャージしているが、5番手アロンソまで1.2秒差で届きそうもない。ランキング2位を争うペレスに順位を譲るか?

71周目ファイナルラップ、ルクレールは再びチームに「選手権を考えてくれないかな」と伝えるが、チームは「リスキーだ」と返答し、譲ることは難しいと伝える。

■ラッセルF1初優勝!メルセデスは今シーズン初1ー2!

そしてチェッカーフラッグを迎え、81戦目のラッセルがファステストラップも獲得してF1初優勝を果たした。メルセデスは「君はF1レースの勝者だ!」と伝えると、ラッセルは「信じられない!これは始まりなんだ、ヤッター!」と歓喜。ヘルメットを脱いでからも信じられないといった様子だ。

トップ3インタビューではフェリペ・マッサが登場し、初優勝のラッセルはここまでのキャリアを振り返り、「言葉にならない。いろんな思い出がよみがえる」とゴーカート時代からメルセデス入りまでを振り返り感謝を述べた。

2位にはハミルトンが入り、今シーズン1勝も挙げられなかったメルセデスは今シーズン初のワンツーフィニッシュを達成した。イギリス人ドライバーのワンツーフィニッシュはハミルトンとバトン以来12年ぶりだ。

3位にはサインツが入った。4位はルクレール、5位はアロンソ。

6位はフェルスタッペン、7位はペレス。フェルスタッペンが4秒後方のペレスに順位を譲ることはなかった。

8位はオコン、9位はボッタス、10位はストロールだった。引退まで残り1戦となったベッテルは11位でポイントを逃してしまった。

角田裕毅は17位で完走した。

次戦は1週間後、今シーズンの最終戦となる第22戦アブダビGPだ。

●【2022年F1チャンピオンシップ・ランキング】F1第21戦サンパウロGP終了後

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