2022年F1第21戦サンパウロGP(ブラジル、アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ)が2日目を迎え、今シーズン最後のスプリントが行われた。
●【2022F1第21戦サンパウロGP】スプリントのタイム差、周回数、ピット回数
天候は晴れ、気温22度、路面温度33度のドライコンディションで行われたスプリントを制したのはジョージ・ラッセル(メルセデス)、2位はカルロス・サインツ(フェラーリ)、3位はルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。
24周のスプリントは明日の決勝レースのための予選という位置づけなので、記録上は「優勝」とは言えないものの、メルセデスはレース形式でのバトルを制して今シーズン初の1-3フィニッシュを果たした。
■レポート:激しく見応えのあるバトルが何度も展開!
1周目
ポールポジションからスタートしたケビン・マグヌッセン(ハース)がスタートを決めてターン1を制した。ミディアムタイヤのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は出遅れる。
エステバン・オコン(アルピーヌ)とフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がターン4で接触しそうになるが最悪の危機は回避した。
2周目
ジョージ・ラッセル(メルセデス)がペースの上がらないフェルスタッペンにターン1と4で仕掛けるがフェルスタッペンがストレートスピードを活かして守る。
アロンソがオコンをホームストレートでオーバーテイクしようとしたところ、フロントウイングをオコンのリアタイヤに接触させてしまいフロントウイングの一部が飛んでしまった。アロンソは「フロントウイングを失った。ありがとう、友よ」と無線でチームに伝える。オコンもブロックしようとややラインを変えたようにも見える。
アロンソ無線「彼(オコン)がターン4で押し出して、ストレートでもう一度やってきた。よくやった」と皮肉たっぷりに訴えた。
そのアロンソは次々と順位を落とし、ダメージを負ったフロントウイングを交換するためにピットイン。最後尾に落ちてしまう。
3周目
DRSが使用可能になった。ターン1でフェルスタッペンがマグヌッセンをオーバーテイクしてトップに立つ。
同じくターン1でルイス・ハミルトン(メルセデス)がエステバン・オコン(アルピーヌ)をターン1でオーバーテイク。これでフェルスタッペン、マグヌッセン、ラッセルの順だ。
4周目
ホームストレートでラッセルがマグヌッセンをオーバーテイクして2番手に浮上。
ターン4でサインツがマグヌッセンをオーバーテイクして3番手に浮上。マグヌッセンは4番手。
5周目
ホームストレートでハミルトンがマグヌッセンを抜いて4番手に浮上。マグヌッセンは現在5番手。
8周目
ホームストレートでセルジオ・ペレス(レッドブル)がランド・ノリス(マクラーレン)を抜いて6番手へ。
ここでダニエル・リカルド(マクラーレン)、ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の3名に「スタート手順違反」が記録されているのが確認された。
9周目
ターン3から続くストレートでベッテルがストロールに必要以上にブロックされて押し出されるが、ベッテルは土煙を上げながらこらえた。ベッテルは「OK」と冷静につぶやく。目には目を歯には歯をといったニュアンスだ。
10周目
そのベッテルがストロールをホームストレートでオーバーテイクして11番手に浮上した。
11周目
ホームストレートでベッテルがオコンをパスして10番手へ、リカルドがストロールをパスして12番手へ浮上。
17番手の角田裕毅(アルファタウリ)はペースが上がらず周囲より1秒遅いラップタイムで走っている。
12周目
ターン1とターン4でラッセルがフェルスタッペンに仕掛けるが守り切った!ラッセルはまだF1で優勝した経験は無い。
13周目
ターン1とターン4で再びラッセルがフェルスタッペンに仕掛けるがストレートが速いフェルスタッペンが守り切った!
イエローフラッグが出た。ターン1〜2付近でアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)がストップし、コースマーシャルが近寄っている。その後イエローフラッグはすぐに解除された。
14周目
トップのフェルスタッペンから4番手ハミルトンまでそれぞれDRS圏内だ。フェルスタッペンは「デブリを踏んだ」とパンクを心配する。
15周目
残り10周。ターン4でラッセルがフェルスタッペンをオーバーテイク!遂にトップが入れ替わる。ラッセルはF1初のトップチェッカーを目指して逃げる。フェルスタッペンはペースが上がらない。
16周目
ターン4でハミルトンが3番手サインツに仕掛けるが、サインツがアグレッシブにブロックする。
17周目
ストロールに10秒ペナルティが出された。9周目にチームメートのベッテルを押し出したことが危険な行為とジャッチされた。もったいないミスだ。
ターン4で最後尾スタートのミック・シューマッハ(ハース)が12番手ストロールに仕掛ける。ブロックしたストロールはやや左右に動きすぎのように見える。
19周目
ターン1でサインツが2番手フェルスタッペンのインに入ってオーバーテイク!フェルスタッペンの左フロントウイングのエンドプレートが接触しダメージを受ける。すぐ後ろのハミルトンがフェルスタッペンを狙うがフェルスタッペンは死守。
20周目
ホームストレートでハミルトンがフェルスタッペンをオーバーテイクして3番手へ浮上。ダメージを負っているフェルスタッペンは無理はしない。
ここで「スタート手順違反」の3名(リカルド、ジョウ、ハミルトン)はレース後に審議すると発表された。
ターン4でノリスがマグヌッセンをオーバーテイクし、7番手に浮上。これでポールポジションからスタートしたマグヌッセンは8番手だが、なんとか1ポイントを持ち帰りたい。
21周目
2番手サインツは「タイヤがなくなりそうだよ」と訴えるが、フェラーリは「彼(ハミルトン)も苦労しているよ」と勇気づける。サインツとハミルトンは、まだ1秒以上のマージンがある。
23周目
ペレス「彼(フェルスタッペン)を抜いて良い?ポイントが必要だから」とチームに対してサポートを訴える。ドライバーズランキング2位を争っているペレスは1ポイントでも多く獲得したい。
24周目
ラッセルがF1で初めてのトップでチェッカーを受けた!2位はサインツ、3位はハミルトンだった。ここまで苦戦してきたメルセデスは2台とも素晴らしい速さを見せ、決勝レースではないもののようやく最高の結果を手にした。
サインツはPU交換による5グリッド降格が決まっているため、明日の決勝レースはメルセデスが1ー2でスタートする予定だ。
一方、レッドブルF1勢は苦戦。4位のフェルスタッペンはフロントウイングにダメージを負っていたとはいえ、ミディアムタイヤでのペースは再考の余地ありだろう。ペレスは5位だった。
10番手から追い上げたシャルル・ルクレール(フェラーリ)は6位フィニッシュ。7位はランド・ノリス(マクラーレン)。
8位にポールポジションからスタートしたマグヌッセンが入り、なんとか1ポイントを持ち帰った。上位勢からはペースが劣るハースとしては上出来だ。
この後、ハミルトンを含む「スタート手順違反」の3名にどんな裁定が下されるか注目だ。