今シーズン限りでF1を引退するセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は、F1から離れる最初の1年は“リハビリ”のようなものだと考えている。
2007年に10代でデビューした4冠のワールドチャンピオンは、現在35歳だ。「16年間の僕の人生の目的」はF1だったと、『Der Spiegel(シュピーゲル)』に認めている。
「今は、F1がなくても大丈夫だと密かに期待しているんだ。まるでリハビリをするようにね」
ベッテルは、2015年に突然、完全に辞めたドイツの有名なテレビタレント、シュテファン・ラーブの例を挙げている。
「彼はドイツのテレビ界にいたのに、やめると発表した。その後、一日一日、沈黙を守っていた。幸せかどうかは本人に聞かないとわからないけど、あっぱれだと思う。スポーツの世界では特に大きな危険性をはらんでいるけど、彼は“依存”に陥らないことを示したんだ」
■自宅には仕事は持ち込まない主義
ベッテルは、実は家庭での私生活とキャリアを切り離すことは、すでに十分実践してきているという。
「自宅の壁には自分の写真もないし、トロフィーも飾っていないんだ。他のことに興味があるし、楽しみでもあるよ。そして、3人の子供たちと一緒に家にいることは、決して退屈なことではないだろうね」とベッテルは微笑んだ。
■F1復帰の可能性も
しかし、同郷の伝説的F1ドライバーであるミハエル・シューマッハのようなF1復帰を「完全に否定することはできない」と認めている。
「1年後、2年後に自分がどうなっているかはまったくわからない。でも、2年後も『結構だ、もう必要ないよ』と言っていたいとは思っているよ」。