2年連続のワールドチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、F1が進めているタイヤを保温するためのタイヤウォーマーブランケットの使用を段階的に禁止し続けた場合、「たくさんのクラッシュが起こる」と予想している。
段階的廃止はすでに始まっており、2023年には予熱温度の上限を50℃まで下げ、2024年からはブランケットを全面的に禁止する予定だ。
金曜日にメキシコで行われたピレリの2023年用タイヤテスト走行では、F1ドライバーたちが予熱温度50℃での走行に挑戦した。
■ベッテルもフェルスタッペンも冷えたタイヤは「楽しくない」
4冠の元王者セバスチャン・ベッテルは「おそらく一番硬いタイヤで、一番遅いタイヤだったけど、特に楽しくなかった」と語った。
2021年と2022年のドライバーズタイトルを獲得したフェルスタッペンも同意見だ。「いや、楽しくないよ」。
「オースティンではピットレーンでスピンしそうになったよ!あれはハードコンパウンドだったけど、大きな一歩だったんだ」
「でも、本当に理解できないのは、せっかくブランケットがあるのに、なぜそれを完全に使わないのか?ということだ。僕には、ブランケットがあるかないかのどちらかで、その間にあるものはすべて無意味だと思うんだ」
「今から予言しておくけど、クラッシュも多くなるだろうね。最初の数周はただ滑っているだけで、空気圧は一気に上がるよ」
「モナコで湿った日にどうなるかなんて考えたくもない。タイヤの温度を上げるのに、おそらくレースの半分くらいは必要だろうね」。
■F1ドライバーたち、F1マシンでタイヤウォーマー禁止は甘い考えだと主張
フェルスタッペンは、F1がタイヤの包括的な使用禁止を進めていくことが適切だと考えていることについて、それは甘い考えだという。
「僕は自由時間を使って、タイヤウォーマーなしでGT3をドライブしているんだ。でも、あのクルマはF1よりもずっと寛容でマネジメントしやすい。だって、このパワーでちょっとアクセルを踏みすぎたら、大きな事故が起きてしまうんだから」。
ハースのケビン・マグヌッセンも「ピレリもFIAもF1も、70℃で出ていった時タイヤを温めることがいかに難しいか理解していないよ。安全上の問題だと思う」と同意見だ。
■ボッタス「もっと低い温度で走れるならいいんじゃない?」
一方、アルファロメオのバルテリ・ボッタスは、段階的なタイヤブランケット禁止を実行可能にするために、F1が正しい方法で対応すると考えているようだ。
「現在のタイヤでは、場合によっては不可能だろう」と認めている。
「もし、タイヤウォーマーを使わずにハードタイヤでピットストップをしたら、間違いなく非常にリスキーだ。ストリートサーキットで、完全に冷えたタイヤでピットストップをすると、ゴムはプラスチックのようになってしまうんだ」
「でも、タイヤが変わって、もっともっと低い温度で走れるように設計されているのなら、いいんじゃない?」とボッタスは言う。
「ほとんどのドライバーは、少なくともこのタイヤに関しては、あまり乗り気ではなかったと思う。でも、コンパウンドが違うなら、高温でも低温でも使えるならいいんじゃないかな?」