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Netflixや映画関係者にとっては最高のグランプリに?角田裕毅は9位に繰り上げ!アルピーヌはアロンソの30秒ペナルティは無効と反撃!厳密に判断するFIAどうする?

2022年10月24日(月)18:48 pm

F1第19戦アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)の決勝レース後、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は、ハースF1チームからマシンに対する抗議を受け、30秒のペナルティを科せられて7位から15位のポイント圏外へ降格となった。

その結果、10位でフィニッシュした角田裕毅(アルファタウリ)が9位に繰り上がり、獲得ポイントも1ポイントから2ポイントに変わった。随所に光る走りを見せ、久々に入賞した角田にとっては嬉しいポイント加算だ。

しかし、この結果はまた覆るかもしれない・・・。

■ハースは「ブラック&オレンジ旗」を求める

アメリカ唯一のチームであるハースF1はレース後、アロンソとセルジオ・ペレス(レッドブル)のマシンは安全ではない状態にも関わらず「ブラック&オレンジ旗」が出されず走行していたと抗議。これが認められ、30秒ペナルティを科した結果、アロンソは7位から15位に順位を下げた。

レース中なら10秒間のストップ&ゴーペナルティになるところだが、今回はレース後だったため、ピットインとピットアウト時間も加味して30秒が相当と判断されたようだ。

ブラック&オレンジ旗とは、マシントラブルが発生して安全でないと判断された場合、該当ドライバーは早急なピットインを義務付ける、という安全性に対して強い意味を持つフラッグだ。

■アロンソは大クラッシュを乗り越えて奇跡的な7位だったが

アロンソはレース中、ランス・ストロール(アストンマーティン)のマシンの真後ろにピッタリとつけ、オーバーテイクしようとしていた。ところが、ストロールはブロックしようとわずかに左へライン変更したため、アロンソは避けきれず左リアタイヤに乗り上げてジャンプ。宙に浮いて、激しく着地した際には左のガードレールにも接触するなど大きなクラッシュを経験してしまった。

アロンソはそのままリタイアすると思われたが、自力でピットに戻るとフロントウイングとタイヤ交換をしてコース復帰。しかし、クラッシュの衝撃が大きかったのか、右ミラーが支柱のステーから外れてしまい、ストレートを走行中に風圧で右のミラーが吹き飛ばされてしまった。

ハースはレース中、この状態で走っているアロンソは「安全ではない」状態だと抗議し、「ブラック&オレンジ旗」を出すべきだとスチュワードに無線で2度訴えていたというが、アロンソに「ブラック&オレンジ旗」の指示が出ることはなかった。

アロンソはその状態のまま、最後尾から怒濤の追い上げで7位でフィニッシュし、6ポイントを獲得していた。クラッシュから入賞、それはまるでハリウッド映画のような奇跡的なレースになった。

■アルピーヌ、ハースの抗議は「時間切れ」で無効だと主張

ハースの抗議を認められた後、アルピーヌは公式SNSで、その抗議は無効だと次のような主張で反撃している。

「BWTアルピーヌF1チームは、今日のアメリカグランプリで14号車にレース後のタイムペナルティが課せられたことに失望している」

「レース22周目にフェルナンドがランス・ストロールと接触した際、ストロールのアクシデントによるダメージで右側のリアビューウィングミラーがシャーシから外れたため、チームは公平にマシンの構造上の安全性が保たれていると判断した」

「FIAは、レース中に安全でないと判断した場合、ブラック&オレンジ旗を出す権利を持っているが、彼らはこの時は、車の状態を判断して、旗を振らないことにした。さらにレース後、FIAのテクニカルデレゲートは、このクルマは合法であると判断した」

「また、抗議が指定された期限を24分過ぎて行われたため、抗議は受理されるべきではなく、したがってペナルティは無効とみなされるべきであると考えている」

「これらの点を考慮した結果、ハースF1チームのオリジナルの抗議が認められたことに抗議する」。

要するにアルピーヌ側の言い分は、ぶらぶらしていたミラーは外れたため、他車に与える危険性はなく安全だった。FIAはレース中にフラッグを出さず、レース後の車検でも合法と認めていた。さらにルールで決められた時間内に抗議しなかったため、抗議そのものが受理されてはならない、と主張しているのだ。

ハースが過去の事例に則って公正な判断をと訴えれば、アルピーヌはルールに則れば時間切れなのだから訴えそのものが無効だと言い返す。Netflixが好んで取り上げそう内容だ。

■厳密に判断するFIA、どうする? Netflixや映画関係者にとっては最高の話題に?

今年のFIAはルールに則り厳密に判断する姿勢になっていることから、アルピーヌ側としてはそのルールは守るべきで、時間切れでの受付はあってはならないと、ルールブックを読み返して反撃している。

FIAとしては、ハースの主張は過去の事例に照らし合わせると30秒ペナルティが適当であると判断したのだが、ルールを厳密に当てはめるとしたら、この抗議結果は覆り、千両役者のアロンソの7位が復活する可能性も出てきている。

スポーツとしてはまたも政治的な面が色濃く出てきてしまった。昔も今も、こうした騒動も含めてのF1だが、分厚いスポーティングレギュレーションを読み解く場外戦が決着するまでは「正式レース結果」が「正式レース結果(修正版)」になる可能性もある。

F1を題材とした映画を作ろうとしているブラッド・ピットらハリウッド関係者やNetflixにとっては、アメリカGPでの場内外での激しいバトルは最高の話題になりそうだ。

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