ピエール・ガスリーが2023年にどのチームで走ることになるのか、あと2、3週間のうちにその答えが出るかもしれない。
■ガスリーの2023年残留を発表していたアルファタウリ
現在レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリに所属しているフランス人ドライバーのガスリーだが、レッドブルとの間に結ばれている現在の契約は2023年までとなっており、アルファタウリもすでに6月に来季もガスリーがドライバーを務めることになると正式に発表していた。
しかし、ガスリーはトップチームであるレッドブルへの復帰を強く望んでいたものの、レッドブルがメキシコ出身のセルジオ・ペレスとの契約を2024年まで延長したことで、ガスリーは2024年にはレッドブル以外のチームへの移籍を視野に入れることになるだろうと考えられていた。
■突然2023年のドライバー候補を失ったアルピーヌ
こうした中、フランスを代表する自動車会社ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌでは、来季アストンマーティンへの移籍を決めたフェルナンド・アロンソの後任として、リザーブドライバーを務めている2021年のF2チャンピオンであるオスカー・ピアストリを2023年に起用することを発表。
ところが、ピアストリはその時点ですでにマクラーレンと契約を結んでいたことが明らかとなり、アルピーヌは急遽ガスリーの獲得に向けて動きだしている。
■アルピーヌ移籍にはガスリーもレッドブルも前向き
実際のところ、アルピーヌへの移籍についてはガスリーも前向きであり、レッドブルのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコもガスリーの移籍実現のために、2023年にアルファタウリでガスリーの後任となるドライバーの獲得を目指している。
マルコは一時、現在アメリカのインディカーで活躍する22歳のコルトン・ハータに白羽の矢を立てたものの、ハータがF1出走に必要なスーパーライセンス発給資格がないことからこれを断念。最近では、第16戦イタリアGPでアレクサンダー・アルボンの代役として急遽ウィリアムズからF1デビューを飾り、9位入賞を果たしたオランダ人ドライバーのニック・デ・フリースと話し合いをしたことが明らかとなっている。
マルコは、母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に次のように語り、ガスリーをアルピーヌへ移籍させる方向で検討が進められていることを認めている。
「我々は、ガスリーを放出した場合の可能性をよく調べているところだよ」
■あと2、3週間で結果が出ることを期待するガスリー
そして、26歳のガスリー自身も、2023年シーズンにアルピーヌへ移籍することを目指して交渉が行われていることをもう隠してはいない。
「現在、会話や話し合いが行われていることは、明らかに誰でも知っていることだよ」
今季の第17戦シンガポールGP(10月2日決勝)が開催されるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットでそう語ったガスリーは、次のように付け加えた。
「今後2週間か3週間のうちに、僕の将来に関する明確な答えが出るといいんだけどね」。