レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、まもなく2年連続でF1チャンピオンとなることが確実なマックス・フェルスタッペンは、すでにドライバーとして完成の域に達していると考えているようだ。
レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者であるマルコは、2015年に当時まだ17歳だったフェルスタッペンをF1デビューさせたことでも知られている。
数々のF1最年少記録を塗り替えたオランダ出身のフェルスタッペンは、F1参戦7年目の2021年についに頂点にまで上り詰めたが、今年のタイトルもほぼ手中に収めている。
■レースへの取り組み方も大人になったフェルスタッペン
79歳のマルコは、母国オーストリアの放送局『ORF』に対し、今やフェルスタッペンはドライバーとしてほぼ完璧なレベルにまで到達していると次のように語った。
「マックスは今、より少ないリスクでより速く走ることができているし、また機材の摩耗も少なくなっている」
「以前は、金曜日に何かうまくいかないと彼はパニックになりそうだった。今の彼はまったく違う見方をしているよ」
「我々はレースに向けて懸命に取り組むものなんだ。1年前か2年前までは、それがマックスをかなり悩ませていたんだ。彼は常に1番前のポジションにつきたいと思っていたからね。だが、もちろん、一番大事なのは勝利なんだ」
「今では、それが可能だとわかっていれば、2番手や3番手のグリッドでも許容することができているよ」
■チームの状態もベッテル時代よりよくなった
マルコはさらに、今のレッドブル・レーシングはセバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)が2010年から2013年にかけて4年連続でF1チャンピオンとなったときよりもいい状態にあると考えているようだ。
マルコは、ベッテルが終盤に追い上げを見せたものの、チャンピオンとなったブラウンGPのジェンソン・バトンに11ポイント差のランキング2位で終えた2009年シーズンを振り返りながら次のように語った。
「ベッテルとの2009年は、彼ばかりでなく我々もF1チャンピオンになる準備ができていなかったんだ」
「それから、あの4年間がやってきた。だが、今のチームではプレッシャーが小さくなっていると思う」
「このチームは、何ができるのかを証明してきた。今のように、我々は常に最速のピットストップができるしね」
■フェルスタッペンはレッドブルの明確な“ナンバー1”
マルコはさらに、レッドブルでは明らかにフェルスタッペンがチームの“ナンバー1”ドライバーであると明言している。
「我々には明確なナンバー1ポジションがある」
「ベッテル時代は、それはマーク・ウェバーだった。だが、強いライバル意識があってそれが調和に影響を及ぼしていたよ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「その意味では、マックスにはよりよく、そして完璧に調整されたパッケージもあるわけだ」