最近、10月2日(日)に決勝が行われる次戦F1シンガポールGPの前に、アルピーヌがブダペストのハンガリーで2021年型F1マシンを使用してプライベートテストを行うことになると報じられている。
■アルピーヌのテストがハータのスーパーライセンス取得の後押しになるのか?
アルピーヌとしては、そこで来季アストンマーティンへの移籍が決まったフェルナンド・アロンソの後任としてエステバン・オコンと共に2023年シーズンを戦うドライバー候補者の評価を行うことになると考えられている。
実際のところ、アルピーヌとしては現在レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリに所属しているフランス人ドライバーのピエール・ガスリー獲得が第一希望であることは確かだ。
しかし、レッドブルがガスリーの契約を解除してアルピーヌへの移籍を許すための条件が、アメリカのインディカーで活躍する22歳のコルトン・ハータがF1スーパーライセンスを取得し、2023年にアルファタウリで戦うことができるようになるというものであり、アルピーヌとしてはガスリーを獲得するために、ハータにF1マシンでの走行経験を積ませ、ライセンス取得の手助けをすることが今回のハータ起用の目的となっている。
だが、実際のところ、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が、ハータに特例的にスーパーライセンスを発給する可能性はあまり高くはないと考えられている。
■シューマッハではなくジョビナッツィがテストに参加?
アルピーヌのハンガロリンクでのプライベートテストにはそのハータに加え、第16戦イタリアGPでF1デビューし、予選や決勝で見事なパフォーマンスを示したニック・デ・フリースやF2選手権で現在ランキング4番手に位置しているジャック・ドゥーハンも参加することになっている。
少し前には、ハースのシート確保が難しくなってきているミック・シューマッハも参加するとの報道もあったが、『Fox Sports(フォックス・スポーツ)』によれば、シューマッハではなく、フェラーリの支援を受けるアントニオ・ジョビナッツィがハンガロリンクでのテストメンバーに加わったという。
うわさでは、アカデミードライバーとしてフェラーリの支援を受けてきていたシューマッハが、今季限りでその枠から外れると考えられているが、イタリア人ドライバーである28歳のジョビナッツィは依然としてフェラーリの支援を受けており、前戦イタリアGPだけでなく、第19戦アメリカGPでもハースから金曜フリー走行1回目に出走することになっている。
ジョビナッツィに関しては、フェラーリがシューマッハの後任としてハースに送り込むのではないかとのうわさもあるが、条件さえ整えば、フェラーリからレンタル移籍のような形でアルピーヌから参戦する可能性もないとは言えないだろう。
■全チームの2023年のドライバー確定にはまだ時間が必要か
ガスリーとレッドブルとの現在の契約は2023年までとなっており、2024年にはアルピーヌが何の問題もなくガスリーとの契約を結ぶことも可能となる。アルピーヌとしては、もしも2023年にガスリーを獲得することができなければ、とりあえず2023年にはほかのドライバーを1年だけ起用してつなぐということも想定しているのかもしれない。
ともあれ、現時点ではまだ2023年のドライバーラインアップが確定していないチームが5チームあるが、それぞれのチームの2023年体制がどのように決着していくのか、もうしばらく様子を見るしかなさそうだ。