セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が2022年シーズン限りでのF1引退を発表したが、メディアはすでにその後任候補が誰なのかということを報じ始めている。
■チームにとっては後退だとチーム代表
今年からアストンマーティンのチーム代表を務めているベッテルと同じドイツ出身のマイク・クラックは、これまで一貫して35歳のベッテルと2023年に向けて新たな契約を結びたいとの意向を示し続けてきていた。
50歳のクラックは、ベッテルが今季限りでの引退を決断したことを受け、今週末に第13戦ハンガリーGP(31日決勝)が行われるハンガロリンクで、『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。
「チームにとって後退であることは明らかだ。だが、仕方のないことだ」
「これから、可能な限り最高の形で続けていけるようにしなくてはならない」
「もちろん、リストには多くのドライバーの名前があるし、さまざまな憶測が飛び交い始めるのは確かだ。だが、今日はセバスチャンの日なんだ」
「今日は、あるいは、今週末にかけて、後継者についての推測をしないでいただければ幸いに思う。我々としては、まずは彼が成し遂げたことに感謝しつつ、彼の意見を聞くべきだろう」
「ほかのことは全部今週末が終わってから考えることにするよ」
■ベッテルの推薦はミック・シューマッハ?
うわさによれば、ベッテル自身は、同じドイツの出身であり、敬愛するミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハ(ハース)を推薦しているようだ。
ハンガロリンクで、シューマッハについて質問されたベッテルは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように答えている。
「彼には能力がある。だけど、まだかなり若い」
「でも、彼がほかの人とは違うやり方で学び、成長する人間であることは明らかだよ」
「決めるのは僕ではないけれど、もし彼らが僕に意見を求めるなら、僕はそれを伝えることにするよ」
フェラーリの契約下にあるシューマッハだが、ハースとの間に結んでいる現在の契約は2022年までとなっており、状況によっては移籍の可能性がゼロだとは言えないだろう。
■ヒュルケンベルグにもチャンス?
もう一人の有力候補は、現在アストンマーティンのリザーブドライバーである同じドイツ出身のニコ・ヒュルケンベルグだ。
そして、最近の情報では、来週に予定されているピレリタイヤテストはヒュルケンベルグが担当することになっている。
だが、アストンマーティンのスポーティングディレクターを務めるアンディ・スティーブンソンは、「このテストはかなり前から計画されていたものだ」と語り、ベッテルの引退問題との関係はないとしている。
■空きシートがあるチームはすべて選択肢になるとアロンソ
また、ハンガロリンクのパドックでは、アルピーヌとの契約延長交渉がうまく進んでいないフェルナンド・アロンソもアストンマーティンのシートを視野に入れているようだとのうわさもささやかれ始めているようだ。
母国スペインのメディアから2023年シーズンに向けた状況について質問されたアロンソは、ハンガロリンクで次のように答えた。
「2人のドライバーが確定していないチームはすべて選択肢になるよ」
「だけど、すでに言ったように、最優先はアルピーヌだよ。なぜなら、僕たちは2年にわたってこのプロジェクトを発展させてきたし、競争力もどんどん高くなっているからね」
現役最年長F1ドライバーであるアロンソは、本日7月29日(金)に41回目の誕生日を迎えている。