マクラーレン・レーシングのCEOを務めるアメリカ出身のザック・ブラウンは、不振が続いているダニエル・リカルドが2023年もチームに在籍することになると認めている。
それにもかかわらず、2023年にはマクラーレンのドライバーラインアップが変わる可能性もあるとのうわさがささやかれ続けている。
■アメリカの若手ドライバーにテストチャンスを与えるマクラーレン
そして、マクラーレンがこのほど、インディカーで活躍する若手ドライバーのコルトン・ハータに今週ポルトガルのアルガルヴェ・サーキットでマクラーレンの2021年型F1マシンでテストをさせると発表したことで、そのうわさにさらに拍車がかかっている。
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、現在2024年からのF1参戦を目指していると伝えられているマイケル・アンドレッティが率いるアンドレッティ・オートスポーツに所属しているハータのテストについて次のように語っている。
「彼がF1マシンにどう適応していくかに興味がある」
実際のところ、マイケル・アンドレッティはF1参戦を目指して昨年スイスに本部を構えるザウバー(アルファロメオ)の買収に動いたという経緯があり、最終的に交渉は決裂したものの、一時はほぼ確定したとの報道さえ行われていた。そして、アンドレッティはアメリカ人ドライバーを起用したいと考えており、最有力候補がハータだと言われていた。
現在のインディカーの母体のひとつであるCARTやチャンプカーシリーズで活躍していたブライアン・ハータを父にもつ22歳のハータは最近次のように語っている。
「僕は(F1に)行くと信じていたし、それはほぼ間違いないと思っていたよ」
■2023年までマクラーレンとの契約があるリカルド
現在マクラーレンでドライバーを務めているランド・ノリスは2025年まで、そして、リカルドは2023年まで契約を結んでいる。
こうした中、マクラーレンは、期待された結果を残すことができていないリカルドとの契約を解除し、その後任として2023年にはハータを起用することを考えているのではないかと考えている者もいるようだ。
さらに、現在アルピーヌのリザーブドライバーを務めているオーストラリア人ドライバーのオスカー・ピアストリのマネジメントチームもマクラーレンのシートを獲得することができないかどうか探りを入れているようだとも言われている。
■来年もリカルドと一緒にやるとブラウン
もともと、マクラーレンがリカルドを放出するようだとのうわさが広まったのは、ブラウンがリカルドはチームの期待に応えることができていないと語り、現在の契約には中途解除できる“仕組み”もあるのだとコメントしたことがきっかけとなっていた。
だが、ブラウンはこのほど、スペインの『SoyMotor(ソイモトール)』に次のように語った。
「ダニエルのパフォーマンスについて私が言ったことはチーム内では何の問題も引き起こしていないよ。それが外部からの多くのうわさをもたらすことになったもののね」
「だが、ダン(リカルド)との関係は非常にいいし、常にお互いにメールをし合っているんだ。彼は来年も我々と一緒にいるし、彼が調子を取り戻せるように我々もベストを尽くしていくよ」
「彼にはレースで勝利をもたらす能力があることは分かっているんだ」
■リカルドへの要求は?
そう語った50歳のブラウンは次のように付け加えた。
「全ては我々が彼に提供できるマシン次第だろう。しかし、我々の要求は非常に明確で、ランド・ノリスのレベルに達することだ」
全22戦で戦われる2022年のF1だが、ちょうど半分の11戦が終了した時点では、22歳のノリスが64ポイントを稼いでランキング7番手に位置しているのに対し、33歳のリカルドは17ポイントでランキングも12番手にとどまっている。