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ミック・シューマッハにとってマグヌッセンは「思いがけず訪れた幸運」

2022年03月26日(土)11:55 am

ドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーが、ハースがロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンとの契約を解除し、代わりに2020年まで在籍していたケビン・マグヌッセンを呼び戻したのは、ミック・シューマッハにとってはいいニュースだったと語った。

■マグヌッセンがシューマッハの指標に

実際のところ、バーレーンで行われた2回目のプレシーズンテストからチームに合流したマグヌッセンは、すぐに2022年型ハースF1マシンに適応し、2日目にはトップタイムを刻んでみせていた。

そして、先週末に行われた開幕戦バーレーンGPの予選で7番グリッドを確保したマグヌッセンは、決勝でもレッドブル勢がリタイアしたこともあり、5位でフィニッシュする活躍を見せた。

一方、チームメートのシューマッハもバーレーンでは予選12番手、決勝11位と、昨年のハースでは考えられなかった成績を残したものの、マグヌッセンがあまりにもいいパフォーマンスを見せたことがシューマッハの将来にも影響を及ぼすのではないかと考えている者もいる。

22日(火)に23歳となったばかりのシューマッハだが、現在はハースと2022年の単年契約を結んでいると考えられている。

フェラーリのアカデミー出身ドライバーであるシューマッハは、今年はフェラーリのリザーブドライバーにも指名されており、もちろん、ゆくゆくは赤いF1マシンで戦うことを目指している。

だが、伝えられるところによれば、フェラーリはすでにシャルル・ルクレールと2024年までの契約を結んでいるが、カルロス・サインツとも2024年までの契約を結ぶことになるのが確実だと考えられている。

つまり、理論的にはシューマッハが2025年にフェラーリに昇格する可能性もあるわけだが、そのためにはチームメートのマグヌッセンとの差を縮め、追い越していく必要もありそうだ。

■自身のパフォーマンス向上がカギだとシューマッハ

こうした中、シューマッハは、フェラーリ以外のトップチームへの加入も視野に入れていくつもりであることを明かしている。

「もちろん、すべてのトップチームと話をすることが重要だよ」

今週末に2022年F1第2戦サウジアラビアGP(27日決勝)が開催されるジェッダ市街地サーキットでそう語ったシューマッハは次のように付け加えた。

「なによりも、それは僕のパフォーマンス次第だよ。それ以外のことはあとからついてくるだろう」

ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーも、今後シューマッハがマグヌッセンとの差を縮めていくのは間違いないと考えているようだ。そして、マグヌッセンもシューマッハを助けていくはずだと考えている。

「もう少し時間がかかるだろうがね」

そう語ったシュタイナーは次のように続けた。

「ケビンは速い。だが、それはマシンも同じだ。バランスは非常にいいし、マシンがおかしな挙動を示すようなことはないよ」

「ケビンはミックに対してすごくオープンだし、彼を助けることにも何の問題もないんだ」

実際のところ、2022年のハースF1マシンが昨年までのものより格段に戦闘力があるのは確かだ。シューマッハ自身も、フェラーリエンジンを搭載するハースの2022年型マシン『VF-22』は、アルピーヌ、アルファロメオ、アルファタウリなどより「少し勝っている」と感じているようだ。

シュタイナーは、今年のハースF1マシンにはコンストラクターズランキング5位となった2018年のときより力があり、今年はそれ以上の結果を残すことができると考えている。

「ケビンの復帰が、それが可能であることを示しているよ」

そう語ったシュタイナーは次のように付け加えた。

「もし、ニキータ・マゼピンとミックが共にチームに残っていたなら、これほどの結果を得ることは非常に難しかっただろうと思っている」

■マグヌッセンはシューマッハにとって幸運

ダナーも、マグヌッセンの復帰により、シューマッハにはF1で実績を持つドライバーと走ることで自分の力を証明できるチャンスが訪れていると考えている。

「マグヌッセンはミックにとって思いがけず訪れた幸運だよ」

母国ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語った63歳のダナーは次のように続けた。

「もはや子犬のように守られることはない。今後、彼は自分自身を確立していけることを示さなくてはならない」

「マゼピン相手ではそれができなかった。グリッド上のドライバーなら誰でもマゼピンには勝てたからね。マグヌッセンは格が違うよ」

「ミックは上位に行くために取り組まなければならない。そして、それが2023年のチャンスを増やすことにつながるんだ。今年は彼の契約最後の年だから、彼は自分自身をアピールしなくてはならないよ」

「ミックはバーレーン以来、新しい契約に向けて戦っている。そして、マグヌッセンはその手助けをしてくれているんだ」

シューマッハ自身も、すでにマグヌッセンから学ぶことができていると次のように語っている。

「彼は、自分が手にしたクルマを機能させるだけなんだ。僕もそこから多くを学ぶことができる」

「それに、彼はチームメートとしてもすごくオープンだよ。彼はほかのドライバーたちとシートを共有する長距離レースを行ってきている。僕たちが一緒にやることで2人とももっと速くなるだろう」

■2022年シーズンに自信を示すシューマッハ

シューマッハはさらに、新たな技術レギュレーションが適用される2022年型マシンの準備に多くの時間を費やしてきたハースは、今シーズン中の激しい開発競争にもついていけるはずだと考えている。

「昨年はすごく多くの設定を試すことができたし、今後開発していく必要がある方向性についてもいい考えを持つことができているよ。たくさん試したからね!」

そう語ったシューマッハは、今年のハースの躍進には、フェラーリの新F1エンジンが大きな貢献を果たしているのも事実だと語り、次のように付け加えた。

「僕たちはそのエリアで最大の進歩を果たすことができたと思っている。マシンに乗っているときにそれを感じることができるんだ」

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