アルファロメオは、新技術レギュレーションが導入された2022年には、より独立したチームとして戦っていくことを目指している。
タイトルスポンサーであるイタリアの自動車会社のアルファロメオをチーム名称としているものの実態はスイスに本拠を置くザウバーが運営するチームは、近年はフェラーリから多くのパーツを購入していた。
しかし、新たな技術レギュレーションが導入される2022年仕様マシンを製造するにあたり、アルファロメオは2021年を通して独自にギアボックスのハウジングを設計・製造することに取り組んできている。
アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「2021年のマシン開発は続けないことを2020年の12月に決定していたんだ」
「遅くともバーレーン(開幕戦)の(予選)Q1までには、このハードワークが報われたかどうかがわかるだろう」
バスールによれば、今年F1の技術レギュレーションが大きく変わったことは、バジェットキャップ(チーム予算上限)のもとでアルファロメオが自立していくことに役だっているという。
「今回の変更は我々だけに適用されるわけではないからね」
そう語ったフランス出身のバスールは次のように続けた。
「F1はこの5年間で大きく変わってきた」
「ここしばらくの間、さまざまなチームが倒産の危機にさらされていた。だが、今はF1史上最も接戦が展開されるようになっている」
「我々はまだ予算の上限値には届いていないが、すぐにでもそこに到達したいと思っているよ」
アルファロメオはまだ2022年型マシンを正式に発表していないものの、すでに先週フェラーリが所有するイタリアのフィオラノ・サーキットでカモフラージュのカラーリングが施された2022年のF1マシンである『C42』のシェイクダウン走行を行っている。
昨年までメルセデスでルイス・ハミルトンのチームメートを務めていたバルテリ・ボッタスは、フィオラノでステアリングを握ったアルファロメオの2022年型マシンと昨年までのマシンの違いについて次のように語った。
「幸い、その差は考えられていたほど大きくはなかったよ」
「もちろん、シェイクダウンでは僕たちが知っている典型的なものもあった。だけど、全体的にマシンはいい印象を与えてくれたよ」
フェラーリから購入するパーツを減らし、自分たちのマシンの技術的独自性を高めようとしているアルファロメオだが、ドライバーに関してもフェラーリ所属ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィとの契約を更新せず、その後任に初の中国人F1ドライバーとなる周冠宇を起用することになっている。
ボッタスと新人の周のコンビで戦う新生アルファロメオが2022年にどのようなパフォーマンスを示すかにも注目が集まりそうだ。