メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフが、自分たちがF1レースディレクターであったマイケル・マシを解任するよう圧力をかけたことなどないと主張した。
2021年のF1最終戦アブダビGPのファイナルラップでルイス・ハミルトン(メルセデス)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にオーバーテイクを許すことになったのはマシが不適切な手順でレースを再開させたことによるものだとして正式に異議申し立てを行うとしていたヴォルフだったが、結局メルセデスはそれを取り下げていた。
そして、そのときから、メルセデスが異議申し立てをしなかったのは、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)との間でマシを解任することで合意したためではないかとの噂もささやかれるようになっていた。
そして、FIA(国際自動車連盟)は実際にマシをF1レースディレクター職からはずし、新たなレース運営体制を構築して2022年シーズンに臨むことを1月17日(木)に正式に発表した。
マシの解任にあたっては、メルセデスからの圧力があったためだという噂に対し、ヴォルフは次のように主張している。
「我々の訴えの取り下げと、誰かがFIAを去ることとの間に何か関係があるという話は真実ではない」
「このような疑惑がどこから出たのか分からないよ」
しかし、F1オランダGPの開催地であるザントフォールト・サーキットのディレクターを務めるオランダ出身元F1ドライバーのヤン・ランマースは、マシの解雇を含むFIA新会長モハメド・ベン・スレイエムによるリストラは「ちょっとした生贄のように見える」と『NOS(オランダ放送協会)』に語り、次のように続けた。
「ハミルトンのファンは『ほらね!』と言うだろうね」
「しかし、どんなに物議を醸していたとしても、決断を下した者にはそうする権限があったのだと思う」
「これから5名か6名が関わって、常にルールが守られるようになるのであれば、それはかなりいいことだよ」
ヴォルフは、「素晴らしいシーズン」を台無しにする結果となっていただけに今回FIAが行った変更は「必要」なものだったと主張。ドイツのテレビ局『RTL』から、マシの解任を残念に思うかと尋ねられたヴォルフは、「ノー」と答えている。