フェラーリを設立したエンツォ・フェラーリの息子であるピエロ・フェラーリが、今年からF1が導入する新しい技術レギュレーションは理解するのが難しいものだと語った。
フェラーリの副会長であり、10パーセントの株式を有する共同オーナーでもあるピエロ・フェラーリは、F1史上最大のレギュレーション変更という声もある2022年のF1技術レギュレーションについて友人たちから説明を求められることが多いという。
「私は彼らに、それはまるで料理長のようなものだと言っているんだ」
母国イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったピエロ・フェラーリは次のように続けた。
「彼らは我々に材料を与える。そして、それでおいしい料理を作る者もいれば、あまりおいしくない料理を作る者もいる。しかし、私はこのルールは修正されたものではなく、新たに書き直されたものだと主張しているよ」
「確かに、私もそれを読んだ。しかし、私には理解するのが難しかったと認めざるを得ないよ」
平たく言えば、2022年以降のF1マシンは基本的な空力思想が修正されているのが一番大きな違いだと考えていいだろう。
シャシー自体がダウンフォースを発生させるグラウンドエフェクトマシン化されるとともに、年々複雑化の一途をたどっていた空力パーツがシンプルなものとされることで、これまでよりもマシン同士が接近しやすくなり、結果としてコース上でのバトルが増えることになると予想されている。
しかし、ピエロ・フェラーリによれば、最大の変化は見た目の違いだという。
「私は風洞に置かれたモデルを見たんだ」
今から75年前の1947年に彼の父であるエンツォ・フェラーリが最初のマシンを製造したことにちなんで『F1-75』と呼ばれることになるフェラーリの2022年型F1マシンに言及したピエロ・フェラーリは、次のように付け加えた。
「何が私の心をとらえたのかって? それは17日まで待つことにしよう」
ピエロ・フェラーリが語ったように、フェラーリでは2022年型F1マシンを17日(木)に発表することになっている。そして、今年フェラーリ移籍後2年目のシーズンを迎えるカルロス・サインツもその日が来るのが待ち遠しいようだ。
「僕もパワーポイントのプレゼンテーションや風洞でマシンをたくさん見てきたよ」
「2022年のマシンは、ここ数年見てきたものとはまったく違うんだ。早くティフォシ(熱狂的フェラーリファン)に見せたくてたまらないよ」
そう語った27歳のスペイン出身ドライバーは次のように付け加えた。
「現時点では僕らが秘密を持っているような感じだけど、できるだけ早くみんなに見せたいと思っているよ」