メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフが、先週末にテキサス州オースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で行われた今季のF1第17戦アメリカGPで勝利を飾ったレッドブル・ホンダのレース戦略を評価した。
●【F1第17戦アメリカGP】決勝レースのタイム、周回数、ピット回数
アメリカGP予選ではポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だったが、レースが開始された直後のターン1でタイトル争いのライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)に先行を許してしまった。
実際のところ、COTAはメルセデスに有利なサーキットだと考えられており、レース前にはメルセデスの勝利を予想している者が多かった。
しかし、その予想を覆してフェルスタッペンが最終的に勝利を得られたのは、早め早めにピットインを行ってタイヤを交換するという大胆な戦略をレッドブルが成功させたからだとヴォルフは指摘している。
「彼らは大きなリスクをとって、最後には勝利したんだ」
母国オーストリアのテレビ局『ORF』にそう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「我々はあんなに早く(ピット)ストップするというリスクはとらなかっただろう。だが、バーレーンではそうすることで、非常に僅差ながら我々が勝利していたよ」
一方、アメリカGPを勝利という最高の形で終えることができたレッドブルは、もうすでに2週間後のメキシコGPから始まる3週連続でのレースに焦点を移しているようだ。
「メキシコ(第18戦/11月7日決勝)とブラジル(第19戦/11月14日決勝)は標高が高いことから我々に合っているはずだ」
そう語ったレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は次のように続けた。
「そうすれば、中東のサーキットにも少し余裕を持って臨むことができるかもしれない」
「カタール(第20戦/11月21日決勝)とサウジアラビア(第21戦/12月5日決勝)には非常に長いストレートがあるから、そこではメルセデスがものすごく強いだろう」
だが、ヴォルフは、メルセデスにアドバンテージがあると考えられていたCOTAで勝利を逃したことを考えれば、残りの5レースに関しても過去の傾向やパターンを当てはめて予想しても意味がないと次のように語った。
「現時点では明確なパターンなどないし、勝利するためにはセッションごとに全てを完璧にこなすしかないと思っているよ」