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レッドブルは“息の詰まるような契約”でF1ドライバーを束縛していると元F1ドライバー

2021年10月15日(金)18:45 pm

元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースが、レッドブルのドライバーの扱い方には問題があると主張した。

かつてミナルディやMF1レーシングなどでF1を戦った経験を持つオランダ出身のアルバースは、現在レッドブルに所属するドライバーの中で本当に有利な契約を手にしているのはマックス・フェルスタッペンだけだと考えている。

レッドブルでは近年、ナンバー1ドライバーであるフェルスタッペンのチームメートを何度も替えてきているという状況があるが、2014年には短期間ながらケータハムのチーム代表を務めたこともある42歳のアルバースは『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語った。

「問題は、ドライバーにとって息の詰まるようなレッドブルの契約にあるんだ」

「唯一そのような契約を結んでいないのはマックス・フェルスタッペンだけだ。しかし、ほかのドライバーたちは深刻な問題を抱えているよ。彼らはどこかほかに行くことができないようになっているんだ」

アルバースによれば、レッドブルは若手ドライバーを非常に長期にわたる契約で縛っており、それによってレッドブル・レーシングとアルファタウリの間でドライバーを入れ替える自由を手にするとともに、ドライバーの離脱を阻んでいるのだという。

そのいい例がピエール・ガスリー(アルファタウリ)だとアルバースは考えている。

2018年にトロロッソ(現アルファタウリ)のフルタイムドライバーとなったガスリーは、翌2019年にはトップチームのレッドブルに引き上げられるも、シーズン前半が終わった時点で再びトロロッソに降格されたという経験をしている。

現在、アルファタウリで非常にいいパフォーマンスを示しているフランス出身のガスリーだが、2022年もレッドブル復帰はならず、ガスリー本人もこのことについて公然と不満を口にしている。

「ガスリーのパフォーマンス、そして彼のF1以外での生活を見れば、彼がどれほど失望しているのかが分かるだろう」

そう語ったアルバースは次のように付け加えた。

「失礼な言い方になるが、ピエールはレッドブルにだまされたと感じているよ。そして、私もドライバーに対する彼らの態度は非常に無礼だと思っている」

アルバースはさらに、ロシア人ドライバーのダニール・クビアトもレッドブルの犠牲者の1人だと考えている。

2014年にトロロッソからF1デビューを飾ったクビアトは、翌2015年にはフェラーリへ移籍したセバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)の後任としてレッドブルに昇格。その年にはハンガリーGPで2位表彰台に上り、ドライバーズランキングでも3ポイント差ながらチームメートのダニエル・リカルドを上回る結果を残した。

翌2016年には第3戦中国GPで3位表彰台をゲットしたクビアトだったが、母国ロシアで行われた第4戦後にトロロッソに降格されてしまった。そして、その代わりにレッドブルに昇格したのがフェルスタッペンだった。

クビアトは2017年もトロロッソで戦ったものの、シーズン終盤にはガスリーにシートを奪われ、レッドブルとの契約も解除されてしまった。

だが、2018年シーズンをフェラーリの開発担当ドライバーとして過ごしたクビアトだったが、レッドブルの人材不足もあり、2019年には再びレッドブルに呼び戻され、トロロッソのドライバーを務めることに。新型コロナウイルスの影響を受けた2020年もアルファタウリとチーム名が変わったチームで17戦を戦ったものの、結局2021年には日本人ドライバーの角田裕毅にシートを譲り、再びレッドブルとの契約も解除されてしまっている。

もっとも、レッドブルのドライバー管理方法に関しては、以前から批判が多かったのも事実だ。例えば、ジャン-エリック・ベルニュ、ハイメ・アルグエリスアリ、ブレンドン・ハートレーなどもレッドブルのドライバーマネジメントの犠牲者だという声もある。

「それはすべてヘルムート・マルコ(レッドブル/モータースポーツアドバイザー)がやっていることだ。だが、彼らも自分たちの失敗から学んでいるんじゃないかな」

「彼らはアレックス・アルボンにプレッシャーをかけるのを止めたし、ペレス(レッドブル)にもプレッシャーをかけようとはしていない。だから、彼らも確かに学んでいるよ」

「だが、マルコ博士の昔ながらのオーストリアスタイルは今も健在だ」

アルバースはそう語ると、微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。

「彼らもマックスにはそうしないけれどね。そうすると、ヨス(フェルスタッペンの父親)との間に問題が生じてしまうからね」

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