カルロス・サインツ(フェラーリ)が、自分はルーベンス・バリチェロのようなドライバーとしてF1の歴史に名を残すことに満足はできないと主張した。
1993年にジョーダンでF1デビューを飾り、ウィリアムズに所属していた2011年シーズンを最後にF1を引退したブラジル人のバリチェロはF1通算322レースに出走した記録を持っている。これはキミ・ライコネン(アルファロメオ)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に次ぐ歴代3位の記録だ。
バリチェロが才能豊かなドライバーであったことは確かだが、2000年から5年間にわたってフェラーリのトップスターだったミハエル・シューマッハの明確なナンバー2ドライバーを務めていたドライバーとして記憶しているファンが多いのも事実だろう。
今年マクラーレンからフェラーリに移籍し、フェラーリの事実上のナンバー1ドライバーだと考えられているシャルル・ルクレールのチームメートとなったサインツは20日(月)に母国スペインのメディアに対して次のように語った。
「バリチェロになることで満足できるかと言えば、絶対に違うよ」
「僕はいつの日か、F1チャンピオンになりたいんだ」
「僕は毎日それを自分に言い聞かせているよ。それが達成できるかどうかは時がたてばわかるだろう」
とは言え、サインツは現時点ではまだフェラーリF1マシンを速く走らせることができていないことも認めている。そのため、サインツはとなりのガレージにいるルクレールを参考にしている段階だという。
「シャルルはフェラーリに3年間いたから僕よりもこのクルマの運転の仕方をよく知っているのは確かだよ。僕が彼のドライビングスタイルを少し真似しているのは事実だ」
「僕は彼がこのクルマについて知っていること全てを吸収したいと思っているよ」
フェラーリでは2022年シーズンに向けて開発してきた新エンジンを近いうちに投入することを計画しており、おそらく第16戦トルコGP(10月10日決勝)にはそれが間に合うだろうと考えられているようだ。
だが、その件について尋ねられたサインツは次のように答えている。
「それに関してはよくわからないんだ。今後数週間のうちにそれについてのニュースが出ると思うよ」
実際のところ、フェラーリは今シーズンのかなり早い段階から新たな技術レギュレーションが導入される2022年型マシンの開発に焦点を合わせていることを明らかにしている。
そして、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、2022年にはフェラーリがパフォーマンスを大きく向上させてくるのは間違いないだろうと考えている。
「2人の優秀なドライバーを擁する素晴らしいチームだし、来年はライバルになってくることを期待しているよ」
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「彼らのパフォーマンスは向上したし、エンジンも改良されており、新しいパワーユニットも登場してくる。彼らは戻ってくるだろう」
サインツも、フェラーリが2022年型パッケージの開発を「ゼロから始める」チャンスをうまく利用したことを認めている。
「その変化に備えて、僕たちがほかの誰よりも準備できることを期待しているよ」
「僕たちは1月から2022年のマシンに取り組んでいるし、その時間の90%をシミュレーターで過ごしたよ」
そう語った27歳のサインツは次のように付け加えた。
「ほかのチームのことはわからない。だけど、僕たちは来年再び勝利を目指すために何もやり残したことがないように取り組んでいるよ」