メルセデスF1チーム代表が、フォルクスワーゲンのF1参戦を可能にするために2026年に導入予定となっている新F1エンジンレギュレーションの変更に「妥協」することもやぶさかではないと語った。
今季のF1第14戦イタリアGPが開催されたモンツァにおいてF1の主要関係者による会議が開かれ、新F1エンジンレギュレーションの導入を2025年から2026年に延期することが決定された。
伝えられるところによれば、会議出席者たちの意見は大きく2つに別れたようだ。ひとつはメルセデスが主張する「現行エンジンの進化型」にするべきだというもの、そしてもうひとつはレッドブルや新規参入を検討しているフォルクスワーゲン・グループが提唱している「根本的な見直し」を行うべきだというものだ。
しかし、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』によれば、メルセデスF1チームのCEOであり、メルセデスのモータースポーツ責任者でもあるトト・ヴォルフが次のように語ったという。
「メルセデスはフォルクスワーゲン・グループをF1に迎え入れるために妥協する用意がある」
ヴォルフが示唆した「妥協」のひとつは、複雑でコストのかかるハイブリッド方式現行パワーユニットのうち、MGU-H(熱エネルギー回生システム)の要素を廃止することのようだ。
「MGU-Hについては、ほかの点で合意が得られれば外されることになるだろう」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「ほかの者たちを代表して言うことはできないが、メルセデスはフォルクスワーゲン・グループがF1に参戦することを望んでいる。しかし、ほかにも合意すべき点が数多く残されているよ」
実際のところ、会議に参加しているフォルクスワーゲン・グループのポルシェやアウディはF1が4輪駆動技術を導入することも望んでいると伝えられている。そうした中、フェラーリも新規F1参入の門戸を広げるために一定の妥協をする方向で考えていると言われている。
ヴォルフは次のように付け加えている。
「自動車メーカーたちが共通の立場を見いだせない場合には、おそらくFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)とフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM/F1オーナーが運営する商業圏管理組織)が2026年のルールに関する提案を提示することになるだろう」