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レッドブル首脳すらノリスを擁護「あのペナルティは間違いだった」

2021年07月06日(火)4:59 am

先週末にレッドブルリンクで開催された2021年F1第9戦オーストリアGP決勝でランド・ノリス(マクラーレン)に与えられたペナルティに対する批判の声が上がっている。

●【最終結果:6人にペナルティ!F1第9戦オーストリアGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

オーストリアGP予選で見事に2番手タイムをたたき出し、自身初のフロントロウから決勝をスタートした21歳のノリスだが、決勝でも今季3回目の3位表彰台に上っている。

しかし、そのノリスにはレース序盤にセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)をコース外に押し出したとして5秒ペナルティが科されていた。あくまでも仮定での話ではあるが、このレースで2位となったバルテリ・ボッタス(メルセデス)とノリスのタイム差は2秒ちょっとであり、もしも5秒ペナルティがなければノリスが2位でフィニッシュしていた可能性が十分にあったのだ。

さらに、ノリスにはペナルティポイントが2ポイント与えられており、現時点では累積のペナルティポイントが10ポイントになってしまっている。ルールでは、1年間の累積ペナルティポイントが12ポイントに達すると、そのドライバーはその次のレースには出られないというルールになっている。

そもそも、今回のノリスへのペナルティに関しては不当だと考えている者が少なくない。

実際のところ、当事者であるペレスが所属するレッドブルの首脳でさえ、あのペナルティは間違いだったと考えているようだ。

レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは次のように語った。

「世界でも最高レベルのドライバーたちがいるわけだし、我々は彼らが戦うところを見たいと思っているんだ」

「ノリスとペレスはいずれもこうした介入を必要とはしていなかったよ」

また、メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)も次のように語った。

「ランドの動きは普通のものだった。明らかにペナルティには値しないものだったよ」

もちろん、ノリス自身もあのペナルティには納得がいかないようだ。

「過度に危険ではない事件の積み重ねでドライバーを禁止するのは適切ではないよ」

そう語ったイギリス出身ドライバーのノリスは次のように続けた。

「誰かがグラベルに入ってしまったことで、なぜ僕が今日ペナルティポイントをもらわなくてはならなかったんだろう?」

「あれは彼(ペレス)のミスだったんだ。僕は彼とは接触していなかったし、普通にレースをしていただけだよ」

「セルジオだって、もし自分が外側にいれば、どこかでスペースがなくなり、グラベルにつかまってしまうことくらい分かっていたはずだよ。問題は、彼が適切なオーバーテイクの動きをしていなかったということさ」

「僕は危険なことは何もしなかった。だから、僕に言わせれば、こういうちょっとしたことでポイントが積み重ねられてレース出場停止になるとしたら馬鹿げているよ」

ペレスのチームメートであり、現在ポイントランキングトップに立っているマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)も今回のノリスのペナルティは「正しくなかった」と語り、こういうことがレース出走禁止につながるとしたらおかしなことだと次のように語っている。

「僕にもそういう状況のときがあったよ。僕は9ポイントだったんだ。それについては検討するべきだよ」とフェルスタッペン。

しかし、F1レースディレクターを務めるFIA(国際自動車連盟)のマイケル・マシは次のように語り、ノリスにペナルティを科したレーススチュワードたちの判断を擁護している。

「彼らは、クルマが完全に並ぶ状態となっていたため、ノリスは相手に車体と同じ幅のスペースをコース上に残さなければならなかったと感じたんだ」

「また、ペナルティポイント制度が長い間運用されてきたことにも留意する必要がある。昨年末には全員でこの問題を議論したし、全チームが現行のシステムに同意していたんだ」

だが、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、マシはモータースポーツにおける基本的原則を忘れているのではないかと次のように語った。

「マイケルでさえ、カートをやっていれば外側からアタックをかければグラベルにつかまることがあるのを学べるということには同意するんじゃないかと思うよ」

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