2021年にアルファタウリ・ホンダでF1デビューを飾る角田裕毅だが、先週3日間にわたってバーレーンで行われた公式プレシーズンテスト最終日にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に次ぐ2番手タイムを刻んでみせるという幸先のよいスタートを切っている。
角田を契約下に置くレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)はそのパフォーマンスについて次のように語っている。
「彼は驚くべきパフォーマンスを見せてくれた。中団グループでの熱い戦いを期待しているよ」
しかし、角田がバーレーンテストで刻んだ最速タイムに対しては疑問の目も向けられているようだ。
というのも、角田がバーレーン・インターナショナル・サーキットにおいてDRSゾーンに入る100~200メートルほど手前でDRSを作動させていたことが映像で明らかとなったためだ。
F1グランプリの公式セッションにおいては追い抜き補助装置であるDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)はあらかじめ指定されたDRSゾーン内で作動させることが義務づけられており、これに違反した場合には何らかのペナルティーを科されることになる。
今回のテストでは仮に指定ゾーン以外でDRSを作動させてもペナルティーの対象とはならないため角田が不法行為を働いたわけではない。だが、ほとんどのドライバーは正規の作動範囲の中でDRSを使用してデータ収集を行っていたものと考えられており、指定エリア以外でDRSを作動させて空気抵抗を減らしていた角田のタイムが実際のマシンやドライバーのパフォーマンスを反映するものとは考えにくいという疑問の声が上がっているわけだ。
冗談好きなことで知られるマクラーレンのランド・ノリスは、角田のインスタグラムに「DRSはどう?」と書き込んでいる。