ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、2021年シーズンに向けた準備としてこれまでシミュレーターでわずか30周を行っただけだと明かした。
2021年のF1は新型コロナウイルスの影響により当初開幕戦として予定されていたオーストラリアGPがシーズン終盤に延期され、代わってバーレーンGP(28日決勝)が開幕戦を務めることになっている。
そして、それに向けて12日から3日間の予定でバーレーンにおいて公式プレシーズンテストが行われる予定だ。
2020年のプレシーズンテストは合計6日間で行われたものの、新型コロナウイルスによって財政的打撃を受けたこともあって今年はテストがわずか3日しかない。このため、F1チームでは独自に旧型マシンを使ったプライベートテストやフィルミングデーと呼ばれる宣伝活動用の走行機会をドライバーたちに与えるなどして新シーズン開始に備えているところだ。
だが、昨年通算7回目のF1タイトルを手にした現チャンピオンのハミルトンは、2日(火)に行われたメルセデス2021年型F1マシン発表イベントにおいて「僕は30周しただけかもしれない」と語った。
36歳のハミルトンは、その一番の理由は、今年は公式F1タイヤサプライヤーであるピレリが持ち込むタイヤが昨年とは大きく変わっていることだと次のように語った。
「タイヤモデルによってどういうものかイメージはつかめるものの、実際にバーレーンで走ってみなければそれが正しいかどうかは分からない」
「そのとき初めて僕たちはタイヤの挙動に関する情報をチームに提供することができるし、そうすればそれをシミュレーターにアップデートすることができる」
「現時点においてタイヤがどのように機能するかは推測する以外にないんだ」
つまり、ハミルトンからすれば、タイヤがどのような働きをするかは実際にそれを履いて走ってみなければ分からないし、その情報があまりない中でテスト走行やシミュレーター作業を行っても自分にはあまり意味のないことだということのようだ。