マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、F1タイトルや優勝を狙うことが難しいことに変わりはないものの、それによって不満を強めたりなどはしていないと主張した。
ミハエル・シューマッハが持つF1歴代最多勝利記録に並ぶ91勝目を達成したルイス・ハミルトン(メルセデス)は、すでにランキング2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)に69ポイント、3番手のフェルスタッペンに83ポイントの差をつけており、残り6レースでよほどのことが起きない限り、2020年のF1ドライバーズタイトルの行方もほぼ決したと考えるしかない状況となっている。
しかし、先週末にニュルブルクリンクで行われた第11戦アイフェルGPではレッドブル・ホンダと最強メルセデスとの差が縮まってきたのは確かだ。
予選でハミルトンとわずか100分の4秒差の3番手につけたフェルスタッペンは、ボッタスのマシントラブルによるリタイアにも助けられて決勝を2位でフィニッシュ。しかも、最終ラップでファステストを刻み、そのボーナスポイント1を手にすることができた。
今季2回目となるファステストをマークしたフェルスタッペンは母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に次のように語った。
「大きなスクリーンにルイスのファステストラップが掲示されたのが見えたんだ。だから、何を目標にすればいいのかは分かっていたよ」
「チームがそれを求めたわけじゃなかったんだ。だけど、僕は挑戦するしかないと思っていた。うまくいくとは思っていなかったけれどね。それ(ファステスト)がとれたことでさらに満足できたよ」
現在レッドブルにワークスエンジンを供給しているホンダが2021年限りでF1から撤退することになったが、これに関連して2023年までレッドブルとの契約があるものの、フェルスタッペンが契約解除条項を使って早期にレッドブルを離脱する可能性もあるとうわさされている。
だが、フェルスタッペンは自分としては現実を受け止めることができていると次のように語った。
「勝利するには運も必要だし、週末ごとにイライラすることだってできるよ」
「だけど、僕は今の状況を受け入れているし、ただ可能な限り最大限の結果を得ようと努めているだけだよ」
「もし自分が全力を尽くすことができればそれで満足だし、それを楽しむことができるんだ」
ニュルブルクリンクでレッドブル・ホンダとメルセデスのギャップが縮まったのはそこで投入された改良パーツがうまく機能したことによるものだと考えられているが、このこともフェルスタッペンの気持ちをポジティブにしている要因のひとつだろう。
「改良パーツはうまく働いてくれたし、僕たちはメルセデスとの差を縮めてきている」
そう語った23歳のフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「だけど、彼ら(メルセデス)だって進歩し続けている。だから僕たちも頑張り続けるしかないよ」