ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、レースの見所を増やすためにF1が意図的に赤旗を利用しているのではないかとの疑念を抱いていることを示唆した。
先週末にイタリアのムジェロ・サーキットで行われた今季の第9戦トスカーナGP決勝ではセーフティカー導入や2度の赤旗中断が発生する荒れた展開となった。
特に、セーフティカー導入後のリスタート時には数台がからむ大きなクラッシュが発生したが、その後ハミルトンとチームメートのバルテリ・ボッタスはセーフティカーがライトを消すのが遅すぎたのがその原因だと指摘し、これはレース再開時にバトルが起きやすくなるようFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のF1ディレクターが意図的に行ったものだとコメントしていた。
それに対し、F1レースディレクターを務めるマイケル・マシはそうした意図はないと否定するとともに、メルセデスのドライバーたちのコメントは自分に対する侮辱でもあると反論していた。
だが、ハミルトンは口を閉ざすつもりはないようだ。
その背景には、F1ではこれまでレース中に赤旗が振られることはあまりなかったという歴史がある。だが、今年はすでに第8戦イタリアGPと第9戦トスカーナGPで2レース連続での赤旗中断が発生している。
F1は意図的に安全と引き換えにレースをもっと白熱させようとしているのだと思うかと質問されたハミルトンは次のように答えた。
「分からないし、僕はあまり度を超した発言はしたいとは思っていないよ」
「僕もファンがモンツァで起きたリスタートやそこで起きたことで興奮したことは知っているよ。だから、彼らは・・・・・・もしもコース上に紙切れが落ちていても赤旗を提示してリスタートさせようとするんじゃないかって思えるよ」
「僕もその理由は理解できるよ。そうすればエキサイティングなものになるからさ」
「全員が1列に並んで、それぞれのギャップがすごく大きければ、レースは退屈なものになるだろう」
「NASCARではそれが行われている。彼らはすぐに黄旗を出してセーフティカーを導入するんだ。レースをエキサイティングなものにしておくためにね」
そう語ったハミルトンは次のように付け加えた。
「だけど、彼らは絶対に安全面のことを考慮に入れておく必要があるんだ」