NEXT...F1開催スケジュール

【F1決勝レポート】大波乱の開幕戦!新世代が台頭、ベテラン勢は苦戦で新時代の幕開けか/F1オーストリアGP

2020年07月06日(月)0:39 am

F1開幕戦オーストリアGP(7月5日(日)決勝レース)が3日目を迎え、決勝レースが行われた。

●【決勝レース結果】2020年F1第1戦オーストリアGP決勝レースのタイム結果

新型コロナウイルスの影響により、無観客で実施され、関係者はマスク装着、ソーシャルディスタンスの徹底など厳重体制の中で開幕戦が行われた。

■レース開始直前、ハミルトンが3グリッド降格

レースまで1時間を切ったところでルイス・ハミルトン(メルセデス)に3グリッド降格が決まった。ハミルトンは予選中にバルテリ・ボッタス(メルセデス)がラストアタックでコースアウトした際、速度を落とさなかったというレッドブルの訴えが認められたのだ。レッドブルは開幕戦から心理戦を展開し、チャンスを伺っている。これにより、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は2番グリッドからスタートすることになった。

気温は29℃、路面温度は55℃に上がっている中、日本時間22時10分、いよいよ2020年のF1レースがスタートした。大きな混乱もなくレースは展開していくが、3周目、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)がランド・ノリス(マクラーレン)を抜いて3番手へ浮上。これでレッドブル・ホンダが2−3体制で、ボッタス追撃態勢を築いた。

5番スタートのハミルトンは4番手に上がっており、次のターゲットはアルボンだ。そしてハミルトンが徐々に近づくがアルボンもホンダ・パワーで逃げる。しかし、レッドブル・リンクはDRSゾーンが3箇所もあるため、順位をキープするのは非常に難しく、ハミルトンはオーバーテイクに成功する。

10周目、予選Q2落ちの屈辱を晴らすべく、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は10番手を走行中だ。来季はフェラーリとの契約を解除されることが決まっており、今後のレース1戦1戦の結果が去就を決めることになる。

■リタイア続々

11周目、突然テレビカメラがスローダウンしているフェルスタッペンを映した。フェルスタッペンは無線で「アンチストールから抜けない!」と訴え、ステアリングでいろいろ試すものの改善せず、ピットイン。白いハードタイヤに交換し、ステアリングも交換し、ピットアウトするが、ガレージを少し出たところでストップ。ピットアウトできずにマシンを降りてしまった。レッドブルのお膝元で今季リタイア第1号となってしまった。

その後、来季はマクラーレンへ移籍するダニエル・リカルド(ルノー)がスローダウンでリタイア。

そしてランス・ストロール(レーシングポイント)は無線で「パワーを失った」と訴え、頭からガレージに入り、3台目のリタイアとなった。

その間、ロマン・グロージャン(ハース)はコーナー出口で単独スピンし、イエローフラッグが出されたが、グロージャンはすぐに復帰したためイエローフラッグはすぐに解除される。どうやらトラブルを抱えているようだが、その後も複数回のスピンを繰り返したため、スポーツマン精神に反する行為として忠告の黒白旗が出されてしまう。

同僚のケビン・マグヌッセン(ハース)はエステバン・オコン(ルノー)に抜かれた際、コーナーを止まることができずに真っ直ぐコースアウトしてスピンしてようやく止まった。そのままマシンを降りたが、どうやらハースにはブレーキトラブルの疑いがあるようだ。このマシン撤去のためセーフティカーが導入された。

セーフティカーが導入された直後、各車は続々とピットインしてタイヤ交換。その際、4番手争いをしていたランド・ノリス(マクラーレン)とセルジオ・ペレス(レーシングポイント)がピットレーンで接触しそうになる。ノリスがタイヤ交換後にピットレーンを走行中、ペレスがピットアウトしてあわや接触というシーンだった。レース終盤、ペレスにはピットレーン速度違反として5秒加算ペナルティーが科される。

セーフティカー先導中、メルセデスは無線で「DASを使え」と指示する。DASを使うと、タイヤとコースの設置面積が増えるため、タイヤを温めやすくなるためだ。

■リスタートとセーフティカーの連続

31周目、ようやくリスタートしたが、3コーナーでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がスピンを喫する。ベッテルはカルロス・サインツ(マクラーレン)のイン側に無理矢理突っ込んでしまい、軽く接触してスピンしてしまった。しかし幸い両者にマシンダメージはないようだが、ベッテルはどうも流れが悪い週末だ。

その後DRSにより各所でオーバーテイクが繰り広げられる。

レースも後半に入った頃、メルセデスは2人のドライバーに「センサーに問題が出ているから、縁石に乗らないように」と指示を出した。どうやら、同じメルセデスPUとギアボックスを使うレーシングポイントのランス・ストロールのリタイアの原因のようだ。トップのボッタスは「了解」と応えたが2番手ハミルトンは「ボッタスの方が縁石を使っているよ」と不満そうだ。しかし、チームは無線で「ギアボックスセンサー異常は深刻だから縁石を使わないでくれ」と注意を促す。チームは万全の1-2体制のため、無用なリスクは避けたい。

そして同じメルセデスPUとギアボックスを使うウィリアムズのジョージ・ラッセルがスローダウン。無線で「パワーを失った」とだけ伝えた。このマシン撤去のため2度目のセーフティカーが導入された。メルセデス勢にはセンサー異常というアキレス腱があるようだ。

そのセーフティカーがピットに入り、レースが再開すると、最終コーナーでキミ・ライコネン(アルファロメオ)の右フロントタイヤが外れてしまい、ホームストレート上でマシンを止めた。これで3度目のセーフティカー出動だ。

しかし、そのセーフティカー先導中、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)がペレスを抜いてしまった。レッドブル・ホンダとしては、イエローフラッグが出る前にオーバーテイクしていたという見解での指示だった。特にスチュワードからの指示は無いため、抜かれたペレスはチームに調査を依頼する。

残り11周でリスタート。上位勢で唯一ソフトタイヤに交換し、最後のチャンスを狙っていたアルボンとレッドブル・ホンダは、さっそくハミルトンに仕掛ける。昨年のブラジルGPでハミルトンに接触されレースを失ったアルボンは、早くハミルトンを仕留め、トップのボッタスに迫りたい。

アルボンはアウト側からオーバーテイクに成功したかに見えたが右リアタイヤがハミルトンの左フロントタイヤに接触してスピンしてしまった。ハミルトンは1台分のスペースを空けていなかった。これでアルボンとレッドブル・ホンダの優勝のチャンスは消えてしまう。またハミルトンとの接触で表彰台を失ってしまった。その後、ハミルトンには5秒加算ペナルティーが科され、それが後半のドラマにつながっていく。

その後もダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)のリアサスペンションが折れてリタイアするなど、完走は11台となった。

そして2位を走行中で5秒加算ペナルティーを科されたハミルトンと、4位を走行中のノリスのタイム差の勝負に注目が集まる。

まず、ボッタスがチェッカーを受け、今季開幕戦で優勝。その後ハミルトンも表面上は2位でフィニッシュ。7番グリッドから追い上げたフェラーリのルクレールは3番手でフィニッシュしたが、実際は2位でのフィニッシュだ。

そして注目の3位争い。4番手のノリスはハミルトンとは5秒差前後で走行をしていたが、最終ラップでファステストラップを叩き出し、最終的にハミルトンと4.8秒差でフィニッシュ。ノリスはハミルトンを0.2秒上回り、見事3位初表彰台を獲得した。ノリスはファステストラップの貴重な1ポイントを追加した。

ホンダ勢は、ピエール・ガスリーが7位に入賞し、開幕戦を終えた。

第2戦は1週間後、同じレッドブル・リンクで「シュタイアーマルクGP」として開催される。

●【タイムスケジュール】2020年F1第1戦オーストリアGP
●【F1 TV配信】フジテレビNEXTとDAZNの配信時間/F1オーストリアGP
●【動画:予選ハイライト】王者狙うレッドブル・ホンダ3番手 メルセデスが1-2 フェラーリ大苦戦
●【予選結果】2020年F1第1戦オーストリアGP予選Q1-Q2-Q3のタイム結果
●【FP3結果】2020年F1第1戦オーストリアGPフリー走行3回目のタイム結果
●【FP2結果】2020年F1第1戦オーストリアGPフリー走行2回目のタイム結果
●【FP1結果】2020年F1第1戦オーストリアGPフリー走行1回目のタイム結果

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック