元F1ドライバーのビタリー・ペトロフは、世界中を恐怖に陥れている新型コロナウイルスにより2020年は全てのモータースポーツがキャンセルされる可能性もあると考えている。
2020年のF1は現時点においては開幕戦から第8戦までの延期もしくは中止がすでに決定している。
F1としては夏以降にはレースが開催できるとの見通しを立てているようだが、実際にいつシーズンを開幕することができるのかはまったく見通しが立たないのが現実だ。
ロシア人初のF1ドライバーとして知られるペトロフは『Izvestia(イズベスチア)』に次のように語った。
「全てのモータースポーツ選手権が1年延期されることになる可能性もある」
「残念ながら、多くの人たちがコロナウイルスに感染しており、毎日その数が増えている一方だ。9月まではどんな予測を立てることはできないと私は思っている」
また、現在はDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の責任者を務める元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーも母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』に今後どうなるかは予断を許さないと次のように語っている。
「カレンダーは用意できている。それが現実になるかどうかはそのうち分かるだろう」
「それはシュピールベルク(F1オーストリアGPの舞台となるレッドブルリンク)も同じだ。今日現在では(オーストリアGP開催は)非常に難しいだろうと私は思っている。だが、状況は毎日変化している」
今季のF1第11戦に予定されているオーストリアGP(7月5日決勝)の開催も難しいだろうと語った60歳のベルガーは、現時点では健康問題が最優先であることは正しいものの、その一方で経済活動が停滞してしまうことによる不安も大きいと考えている。
「我々は破滅的な状況へと向かっているのだろうか?」
ベルガーは問いかけるようにそう語ると、次のように付け加えた・
「オランダやスウェーデン、あるいはアメリカからの意見を聞いても、どれが正しい道なのかはなかなか分からない。我々は今後もっと賢明になっていくだろう」