新型コロナウイルス“covid-19”の脅威にさらされているF1だが、ここへきてメルセデスが今年限りでF1ワークス活動を中止するのではないかとのうわさが再燃しているようだ。
このうわさのきっかけとなったのは、今週F1関係者が集って行われた新型コロナウイルス対策のための緊急テレビ会議にメルセデスF1チームCEOのトト・ヴォルフと、レーシングポイントのオーナーであるローレンス・ストロールが欠席していたことだ。
奇しくも、2日前にはイギリスの名門自動車会社であるアストンマーティンの買収を決めたストロールが、当初16.7パーセントだとされていた取得株式割合を25パーセントに増やしたことが明らかとなっていた。
少し前にはメルセデスがF1ワークス活動を中止することになった場合、ヴォルフとストロールが共同でそのチームを買い取り、それにアストンマーティンという名前を付けるのではないかとのうわさもささやかれていた。
そのうわさはメルセデスがF1活動を継続するという姿勢を示したことから立ち消えとなり、ストロールはレーシングポイントを来季からアストンマーティンとして運用することを明らかにしている。
しかし、今回ヴォルフとストロールの2人が緊急会議に出席しなかったことから、再びメルセデスとアストンマーティンをめぐるうわさがささやかれるようになったようだ。
その背景には、新型コロナウイルスの蔓延により、メルセデスの親会社であるダイムラーがヨーロッパ全土での業務をかなりの範囲で停止したことがある。もちろん、これはダイムラーにとっては財政的に大打撃となるのは確かであり、巨額の予算を投じる必要があるF1からの撤退もあるのではないかと再び考えられるようになってきたためだ。
『Daily Mail(デイリー・メール)』は、ヴォルフとストロールはF1開幕戦オーストラリアGPの中止が決まったメルボルンから一緒にイギリスへ戻ってきていたとし、次のように続けている。
「メルセデスは否定したものの、ヴォルフはアストンマーティンの最高責任者を引き受けるよう要請されているようだといううわさが木曜日(19日)の夜には広まっていた」
もしも、そのうわさ通りに今季限りでメルセデスのワークスチームが活動を停止し、そのチームが来年からアストンマーティンに生まれ変わるとすれば、今年でメルセデスとの現在の契約が満期を迎えるルイス・ハミルトンの将来にも影響が及ぶ可能性があるのではないかと考えられている。