フェラーリの元会長であるルカ・ディ・モンテゼーモロが、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にとって2020年は“デリケート”な年になるだろうと語った。
フェラーリは昨年のクリスマス直前にシャルル・ルクレールとの契約を2024年まで延長したことを発表。
その一方で、フェラーリは2020年に満期を迎えるベッテルとの契約を延長するかどうかは5月に行われるF1第6戦スペインGPころまでに決めるつもりだと示唆している。
フェラーリ内でのドライバーの力関係が大きく変わってしまい、ベッテルが事実上のナンバー2に落ちてしまったのはこうしたことからも明らかだ。
2014年9月までフェラーリ会長を務めていたモンテゼーモロは母国イタリアのテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語った。
「ルクレールはF1チャンピオンになれるだけの強いレーサーであり、知性的な少年だよ」
「チームにとって悪いことが起きたのも確かだし、ドライバーたちはお互いに戦うのではなくフェラーリのために戦うのだということを理解する必要がある」
2019年のF1第20戦ブラジルGP決勝で起きたベッテルとルクレールの同士討ちに言及しながらそう語ったモンテゼーモロは次のように付け加えた。
「ビノット(チーム代表のマッティア・ビノット)とチームは大きな責任を抱えることになる。そしてデリケートな問題も抱えるだろうね」
だが、モンテゼーモロは、レッドブル時代に4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルが今年巻き返しを見せる可能性もあると考えている。
「ベッテルは冷静になり、自分の能力に自信を持つ必要がある。すごい力を持っているのだからね」
「それに、彼にはチームともっとオープンに話をする必要もある。だが、契約が満期を迎えるときは常にデリケートな年になるものさ」
2019年からチーム代表としてフェラーリを率いているビノットも、2021年に誰をルクレールのチームメートにするかを決めるのが今年の重要な仕事のひとつになるのは確かだと認めている。
「確かに、何かが起きるだろうね」
「ひとたびシーズンがスタートすれば、それがより真剣に検討すべき話題となってくる。だが、フェラーリにいて幸いなのは、我々のところに来たいと思っているドライバーがたくさんいることだよ」
微笑みを浮かべながらそう語ったビノットは次のように付け加えた。
「しかし、今の我々のドライバーは、1人は経験豊かでもう1人は若いが、どちらも強いんだ。2021年にどうするかを考えるのは時期尚早だよ」