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F1と“グリーン”は両立しないと元F1ドライバーたち

2019年11月15日(金)5:15 am

2人の元F1ドライバーたちが、このほどF1オーナーのリバティ・メディアが打ち出した“グリーン計画”に対して批判的なコメントを行った。

グリーン(Green)とは“緑”を意味する語だが、今回の場合は「自然に優しい=無公害」という意味で用いられるものだ。

地球温暖化対策としてCO2を始めとする温室効果ガスの排出削減が世界的課題となっている今、世界の大手自動車も化石燃料からの脱却を目指して電気自動車へのシフトが進んでいる。

こうした中、リバティ・メディアは今週、2025年までに「環境に優しい」ものとなることを目指すとともに、2030年までには温室効果ガスの純排出量をゼロとする「ネットゼロ・カーボン」を実現するという計画を発表した。

しかし、この発表に首をかしげた者たちもいる。その1人はかつてBARやトヨタで活躍したオリビエ・パニスだ。

「ときどき、私はこういう無意味なことを考え出した馬鹿者は誰なのか不思議に思うことがあるよ」

母国フランスの『RMC Sport(RMCスポール)』にそう語ったパニスは次のように続けた。

「正直な話、私は政治的に正しいことと、本当のグリーンの違いが分からなくなるときがある」

「もし目的が本当にグリーンにすることであれば、F1なんてやらないだろう」

1997年にウィリアムズでF1チャンピオンとなったジャック・ビルヌーブもパニスと同意見だ。ビルヌーブはF1が“グリーン”を追求する姿勢を示したのは「見せかけ」でしかないと切り捨て、次のように続けた。

「これは、『ほら、我々はグリーンです。だから我々を愛してください』と言うために過ぎないよ」

「もし本当にグリーンなら、スポーツなんてしないし、コンサートもしないし、自動車レースなんてやらないよ。はっきりとそう言わなくてはならないし、それはモータースポーツには当てはまらないよ」

だが、フランスを代表する自動車メーカーであるルノーのF1ワークスチームは、リバティ・メディアが打ち出したグリーン計画を歓迎している。

「この提案が示しているのは、F1が世界の状況に敏感だということだよ」

「それは単にコミュニケーションやイメージで終わらせるわけにはいかないものだ。行動が重要だし、誰もが貢献を果たしていかなくてはならないんだ」

フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう語ったシリル・アビテブール(ルノーF1/マネジングディレクター)は次のように付け加えた。

「リバティ・メディアはエンジンによる汚染を少なくしようと言うだけで満足しているわけではない。このカテゴリー全体が非炭素化されなくてはならないんだ」

ルノーF1では近日中にF1のための独自の“グリーンキャンペーン”を開始することを明らかにしている。

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