ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)が、もし2020年のF1シートを確保できなければ、そのままF1キャリアを終えることになってしまうだろうと示唆した。
今季限りでルノーとの契約を失ったドイツ出身のヒュルケンベルグだが、来季どこかのチームに移籍できるチャンスは限りなく小さいと考えられている。
現時点ではまだレッドブル、トロロッソ、アルファロメオ、ウィリアムズの4チームが2020年のドライバーラインアップを発表していない。
だが、レッドブルとジュニアチームであるトロロッソのドライバー人事を司るヘルムート・マルコは、ヒュルケンベルグ獲得の可能性を明確に否定している。
また、アルファロメオもフェラーリの育成ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィが来年もキミ・ライコネンのチームメートを務めることがほぼ確実だと考えられており、ウィリアムズもロバート・クビサの後任として現在リザーブドライバーを務めているニコラス・ラティフィをフルタイムドライバーに据えることが事実上確定していると見られている。
こうした状況のもと、32歳のヒュルケンベルグは母国ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「現時点では何のニュースもないよ」
「期待していたよりも少し長引きそうだ」
ヒュルケンベルグは2010年にウィリアムズからF1デビューを飾ったものの、チームが巨額のスポンサーマネーを持ち込めるパストール・マルドナードを2011年に起用することを決定したことから1年でそのシートを喪失。
2011年はフォース・インディアのリザーブドライバーとして1年浪人したヒュルケンベルグは、翌2012年にフォース・インディアのフルタイムシートを獲得して2年ぶりにF1復帰を果たしたという経緯がある。
しかし、今回も同じように1年間浪人して2021年にF1復帰できるチャンスがあると考えているかと尋ねられたヒュルケンベルグは次のように答えた。
「キャリアが始まったばかりの2010年にはそれも可能だった。今ではすでにキャリア終盤にさしかかっているし、それは難しいと思っているよ」
最近のうわさでは、ヒュルケンベルグは開発担当ドライバーとしてフェラーリと契約するのではないかともささやかれている。2018年は今季トロロッソ・ホンダで復帰を果たしたダニール・クビアトがフェラーリの開発担当を務めていたが、現時点では現役ドライバーに近いレベルの開発担当者がフェラーリには不足している状態だと考えられている。
だが、ヒュルケンベルグはフルタイムドライバーとしてレースに出走できなければ、それ以上F1に固執するつもりもないと示唆している。
「外部では僕が必死にF1にとどまろうとしていると考えている者もいるようだ。それは間違いだよ」
そう語ったヒュルケンベルグは次のように付け加えた。
「僕はF1が大好きだし、レースが大好きだ。そしてそれを続けたいと思っている。でも、もしそうできないとしても、浮き沈みはあったものの、僕はいい10年を過ごしてきたし、全てを目にしてきた。だから、僕にとってはそれでいいんだ」