メルセデスがこれ以上F1ドイツGPに救いの手を差し伸べることはないようだ。
●【決勝結果】2019年F1第11戦ドイツGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
F1伝統の一戦であるドイツGPだが、2009年からはニュルブルクリンクとホッケンハイムリンクが隔年で交互開催する契約を結んでいた。
だが、ニュルブルクリンクが経営破綻に陥ったことから、同サーキットが開催契約を結んでいた2015年と2017年にはドイツGPが開催されないという事態に陥っていた。
当時ホッケンハイムが結んでいた開催契約も2018年までで、本当は今年もドイツGP開催があやぶまれる状態となっていた。
だが、ドイツを代表する自動車メーカーであり、2014年から5年連続でF1ダブルタイトルを獲得してきているメルセデスがタイトルスポンサーを務めることでなんとか今年も先週末にホッケンハイムでドイツGPが開催された。
メルセデスは先週末のドイツGPをモータースポーツ参戦125周年の記念イベントとして、F1マシンに特別なカラーリングを施したほか、チームメンバーがオールドファッションに身を包んで作業にあたるなどの工夫を凝らし、メルセデス-ベンツのブランド名を前面に押し出す形でレース運営に関与していた。
だが、F1オーナーは2020年にオランダGPを復活させるとともに、新たにベトナムGPをF1カレンダーに組み込むことを決定している。
年間レース数は来年も今年と同じ全21戦をキープすることになっているため、来年は2つのF1グランプリがカレンダーから消えることがほぼ確実な状況となってきており、そのひとつがドイツGPになる可能性が高いと考えられている。
2020年も財政問題を抱えるホッケンハイムでドイツGPを継続開催するには、またメルセデスが強力なバックアップをすることが不可欠な状態だ。
しかし、その可能性はあまり高くないようだ。
「今年のレースに関してはできる限りの支援を試みた」
メルセデスのモータースポーツ責任者であり、メルセデスF1チームをエグゼクティブディレクターとして率いているトト・ヴォルフはそう語ると次のように続けた。
「昨年我々が結んだ契約は全く自発的に行ったものだった。だが、我々としてもこれを続けていくことはできない」
「それに、私はF1とリバティ・メディア(F1オーナー)のビジネス面に我々が介入してはならないと考えている」
そう述べた47歳のヴォルフは次のように付け加えた。
「我々がどこに(レースをしに)行くのか、そしてどこに行かないのかを決めるのは彼らだからね」