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【WEC】トヨタ、最後のTS050 HYBRIDでル・マン3連覇に挑む 次世代ハイパーカーも並行して開発

2019年07月23日(火)8:36 am

TOYOTA GAZOO Racingが、FIA世界耐久選手権(WEC)2019-2020年シーズンに挑むTS050 HYBRIDを公開した。シリーズチャンピオン防衛とル・マン24時間レース3連覇を目指す。

■TS050 HYBRID最後のシーズン

WECの2019-2020年シーズンは全8戦で争われることになるが、今週のスペイン、バルセロナで行われるプロローグテストが公式な幕開けとなる。今季は2016年以来、WECの歴史に名を刻んだTS050 HYBRIDにとって最後のシーズンとなる。

TS050 HYBRIDデビューの年、2016年のル・マン24時間レースは、残り1周でのトラブルにより勝利を逃がすという先例のない結末となった。

翌2017年は、小林可夢偉が圧倒的なタイムでポールポジションを獲得し、マイク・コンウェイがレース中のコースレコードを更新する速さを見せたが、勝利は叶わなかった。

2018-2019年「スーパーシーズン」として行われた昨シーズン、2018年のル・マン24時間レースで、トヨタは念願の初優勝を遂げ、翌年の2019年のル・マンもトヨタは再び1-2フィニッシュを果たし、チームとドライバーの両シリーズチャンピオンを獲得した。

トヨタのモータースポーツの歴史に名を刻んだ、4輪駆動、最高出力1000馬力を誇るTS050HYBRIDは空力性能改善、及びさらなる信頼性の向上を得て2019-2020年シーズンに臨む。

2台体制のTS050 HYBRIDのドライバーラインナップについては、7号車は昨年と変わらず、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名だ。

8号車は世界チャンピオンとなったセバスチャン・ブエミと中嶋一貴の2人に、2017年のル・マン勝者で、かつWECチャンピオンであるブレンドン・ハートレーが加わる。

また、テスト兼リザーブドライバーとしてチームに加入したトーマス・ローランは、同時にシグナテック・アルパインチームからLMP2クラスに参戦することにより、さらなる経験を積んでいく。

TS050 HYBRIDにとって最後のシーズンは、開幕戦となる9月1日のシルバーストーン4時間レースを皮切りに4大陸を巡る、全8戦、計66時間の戦いとなる。

シリーズは、富士スピードウェイ、アメリカのセブリング、ベルギーのスパ・フランコルシャン、といった伝統のコースを経て、来年の6月13日~14日のル・マン24時間レースで最終戦を迎えることとなる。

■村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表)

「先月のル・マン24時間レース優勝からまだ日が浅いですが、ワールドチャンピオンとして迎えるWEC新シーズンが待ち遠しいです。

今シーズンはLMP1ハイブリッド規定の最後となります。それは同時にTS050 HYBRIDにとっても最後であることを意味します。TS050 HYBRIDは多くの勝利を収めましたが、博物館に行く前に、それをさらに積み重ねることが出来れば、と願っています。

チームの最大の目標はル・マンの3連覇を果たすことです。それが2015年より、設計、開発、製造、及びレース運営に関わってきたチーム全員への贈り物になると思っています。TS050 HYBRIDと共にチームは成長して強くなり、今は活力に満ちています。

次世代ハイパーカーの準備も並行して進めていますが、前年の覇者として臨む今シーズンも挑戦を続け、皆様に良いレースをお見せしたいと思っています。」

■パスカル・バセロン(テクニカルディレクター)

「今季向けのTS050 HYBRIDに対しては、昨シーズンから大きな変更は行なっていません。2016年のTS050 HYBRIDデビュー以来、毎シーズン、開発を進めてきましたが、今シーズンへの変更は細かな部分の最適化とさらなる信頼性向上です。目に見える変更は空力パッケージで、それ以外は信頼性向上のための細かい変更に留まっています。

昨シーズンのTS050 HYBRIDは最速で、それは確かに結果に現れています。しかし、ライバル達も開発を続けており、2018年と2019年のル・マンを比べるとその車両性能が大きく伸びたことが分かります。ライバルたちの卓越した開発能力を考えると、更に性能が向上することは間違いありません。ですから我々も開発を止めるわけにはいきません。」

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