F1カナダGPのプロモーターを務めるフランソワ・デュモンティエが、カナダ人ドライバーのランス・ストロールにとってチームメートのセルジオ・ペレスは格好の指標となるだろうと語った。
モントリオール出身のストロールは2017年にウィリアムズでF1デビューを飾ると翌2018年もウィリアムズで2年目のF1シーズンを過ごしてきた。
しかし、昨年のウィリアムズF1マシンには戦闘力がなく、ストロールが年間を通じて獲得できたのはわずか6ポイントだけだった。さらにチームメートだったルーキーのセルゲイ・シロトキンは1ポイントしか稼ぐことができず、チームはコンストラクターズランキング最下位に沈んでしまった。
しかし、大富豪として知られる父親のローレンス・ストロールがフォース・インディアを買収して新オーナーとなったことから息子のランスも2019年は現時点では「レーシングポイントF1チーム」という名称でエントリー登録されている旧フォース・インディアに移籍。8年のF1経験を持つペレスとコンビを組むことになっている。
デュモンティエは、地元紙『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』に対し、ストロールがレーシングポイントに移籍したのは「いいニュースだ。競争力のあるチームのようだからね」と語り、次のように続けた。
「それに、ローレンスによって買収されたことを非常にうれしく思っているよ。チームの株式所有状況を見れば、もはやカナダのチームだと言ってもよいほどだからね」
デュモンティエはさらに、ペレスのようなドライバーと比較される立場となるのは20歳のストロールにとってもよいことだと考えている。
ヨーロッパF3シリーズで年間チャンピオンとなってF1に上り詰めたものの、ストロールには常に資金力を武器にシートを得た「ペイドライバー」だというレッテルが貼られている。もしストロールがペレスと互角もしくは上回る活躍を見せることができれば、そうした評価が間違いだということを証明できるはずだというのがデュモンティエの考えだ。
「ウィリアムズにとっては非常に困難なシーズンだった。何度もタイトル争いをしてきたチャンピオンチームだけに残念だよ。だが、F1にはそういうサイクルがあるものさ」
デュモンティエはそう語ると、昨年のシロトキンはストロールのチームメートとしては少し物足りなかったとほのめかし、次のように続けた。
「ペレスは比較するにはいいドライバーだ。彼は速いし、コース上で追い抜くのは難しい。彼は過去にもいい成績を残しているしね」
「ランスにとってはいい比較対象となると思っている。デビューシーズンの(チームメートだった)フェリペ・マッサと同じようにね。マッサは指導役だったにせよ、ランスは複数の優勝経験を持つ者と肩を並べることができた。そして、彼はうまくやったよ」
経験豊かなマッサとわずか3ポイント差の40ポイントを獲得してみせたストロールのデビューシーズン(2017年)に言及したデュモンティエは次のように付け加えた。
「彼は選手権を12位で終えたし、表彰台にも上った(第8戦アゼルバイジャンGP)。誰もそれは予想していなかったよ」