2017年のF1ドライバーズタイトルを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、最大のライバルであったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は「ものすごく大きなプレッシャー」によってつぶれてしまったのだと語った。
そのハミルトンの言葉を象徴する“事件”は、今季の第8戦アゼルバイジャンGPで起きていた。
その時点ではそれぞれ3勝ずつをあげて緊迫したチャンピオン争いを演じていたベッテルとハミルトンだったが、バクー市街地サーキットで行われた決勝でセーフティカー導入中にハミルトンが自分の走行を妨害したと思ったベッテルは、怒りのあまり自分のクルマをハミルトンのクルマにわざとぶつけるという暴挙に出てしまったのだ。
■2017年のベッテルはこれまでになく神経質だった
「セブ(ベッテルの愛称)は、今季はこれまでよりもさらに神経質なところを見せていたよ」
ドイツの『Stuttgarter Nachrichten(シュトゥットガルター・ナッハリヒテン)』にそう語ったハミルトンは次のように続けた。
「僕たちはみんなスーパーマンじゃないんだ。だから誰もが非常に大きなプレッシャーのもとで失敗してしまうこともある。すぐにそういうところに達してしまう者もいれば、あとの方でそうなる者もいるけどね」
「テニスみたいなものさ。もしフェデラーがナダルと対戦すれば、どちらも相手の小さな弱点が現れるのを待つんだ。それが0.5%だって十分だからね」
■自分はプレッシャーを力に変えるタイプだとハミルトン
そう語ったハミルトンだが、自分は逆にプレッシャーによって強くなるタイプだと主張している。
「シーズンの最後にそれがわかったはずだよ。(タイトル獲得を決めて)プレッシャーがなくなったら突然僕はあまりよくなくなってしまったからね」
笑いながらそう語ったハミルトンは、次のように続けた。
「今シーズンはウサイン・ボルトの100m競争にたとえられるよ」
「彼はときどきスタートで失敗するけど、その後ばん回するんだ」
ハミルトンは最後に、2018年にはベッテルがそうした障害を乗り越えていっそう強くなるだろうと次のように付け加えた。
「僕は、来年には彼が自分の強さを取り戻すだろうと予想しているよ。だけど、僕もそれを恐れはしないけれどね」