メルセデスAMGのエンジニアリングディレクターを務めるアルド・コスタが、かつて所属していたフェラーリに戻りたいとは思わないと主張した。
■2011年にフェラーリから追い出されたコスタ
イタリア人エンジニアのコスタは1995年にフェラーリに加入。その後F1マシン設計の力が認められ、有名なF1カー設計者であったロリー・バーンの後任として設計開発部門を率いていた。
しかし、2008年のコンストラクターズタイトル獲得を最後に不振に陥ったフェラーリは2011年5月にコスタをF1チームから市販車部門に異動させるという事実上の更迭人事を行った。コスタは結局7月にフェラーリを完全退職し、翌2012年にメルセデスAMGのエンジニアリングディレクターに就任している。
メルセデスAMGはドイツ国籍のチームではあるが、開発拠点となるファクトリーはイギリスにある。そして、コスタに関してはいつか地元イタリアのフェラーリに復帰するのではないかとのうわさも絶えずささやかれている。
■イギリスを離れるつもりはないとコスタ
だが、コスタは母国イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「私がメルセデスへ移籍できたのはロス・ブラウンとミハエル・シューマッハに負うところが大きいんだ」
「イギリスへ移ることができたのは私にとっては神の恵みだったよ。私はメルセデスでの現在の仕事に満足しているし、くつろげてもいる。ここを離れるつもりなど全くないね」
■フェラーリとは最後まで戦うことになると予想していた
そのコスタは、2017年のメルセデスAMGとフェラーリの戦いを楽しむことができたと語っている。
だが、実際のところ、両チームのタイトル争いが最後まで続くのではないかと考えていたようだ。
「夏を迎えるころまでは一進一退だった。しかしそこから我々の方が彼らとの差を開いていった。我々はクルマをうまく進歩させることができたし、信頼性の不安もなかったからね」
「だが、夏になったばかりのころは、そうなるだろうとは予想していなかったよ。この戦いはシーズンの最後まで続くだろうと見ていたんだ」
そう述べた56歳のコスタは次のように付け加えた。
「我々は心理的な面だけではなく、開発に関してもそう思っていたよ。だから、フェラーリを倒すには開発を進めることが必要だと考えていたんだ」