今季からルノーのドライバーを務めているニコ・ヒュルケンベルグが、ルノーパワーユニットの信頼性不足は「受け入れられない」レベルだと語った。
■多発するルノーPUの故障
実際のところ、最近特にルノーパワーユニットの信頼性不足が目立つ状況となっている。
2017年F1第17戦アメリカGPで新たなパワーユニットコンポーネントを投入し20グリッド降格ペナルティーを受けて臨んだ決勝で、ヒュルケンベルグはわずか3周でトラブルによってリタイアとなってしまった。
さらに、先週末に行われた第18戦メキシコGP決勝でもヒュルケンベルグはまたしてもパワーユニットトラブルによるリタイアとなっている。
それだけではない、メキシコではチームメートのカルロス・サインツ、レッドブルのダニエル・リカルド、トロロッソのブレンドン・ハートレイもパワーユニットの故障でリタイアを余儀なくされてしまっていた。
ルノーパワーユニットを搭載するクルマでメキシコGP決勝を完走できたのは優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と13位のピエール・ガスリー(トロロッソ)の2人だけという結果に終わってしまっている。
■メキシコで優勝したフェルスタッペンも「不安だった」
メキシコで今季2勝目をあげたフェルスタッペンも、こうした状況に冷や汗をかきながら走っていたようだ。
「たくさんのドライバーたちが問題を抱えたことが分かっていたから、僕も不安だったんだ」
そう語ったフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「ダニエル、そしてトロロッソもいなくなったことが分かったときには、“なんてことだ、僕には起きませんように”って考えたよ」
■感電の危険もあったヒュルケンベルグ
メキシコGP決勝に向けてあえて新しいパワーユニットを投入し20グリッド降格ペナルティーを受けて臨んだものの、わずか5周でトラブルによるリタイアとなったリカルドも次のように語っている。
「僕たち何人かにとっては身の毛もよだつような週末だったよ」
メキシコGP決勝でパワーユニットのERS(エネルギー回生システム)系パーツにトラブルが発生したヒュルケンベルグは、クルマをとめたあとクルマから両足でジャンプして飛び降りるようチームから指示を受けていた。
これはERSのトラブルにより高圧電流が漏れた可能性があったため、クルマに片足を残した状態でもう一方の足を地面につけると感電してしまう恐れがあったためだ。
ヒュルケンベルグはこのとき、クルマから飛び降りる直前の画像を自身のツイッターに投稿している。
■「受け入れられるレベルではない」とヒュルケンベルグ
ヒュルケンベルグはレース後に母国ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「こんなことがメーカー(ルノー)に起こってはならないよ」
「受け入れられないよ。まったくだめだ」
ちなみに、ヒュルケンベルグが今季ここまでの18レースで完走できなかったのはこれで7回目だ。
■2018年に向けた最大の宿題は信頼性改善
怒りが収まらないヒュルケンベルグは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にも次のように語った。
「みんな怒りや不満、そして失望を感じているよ。来年はなんとかこの問題を解決しないとならない」
「2018年に向けては信頼性が一番に取り組むべき宿題だね」
そう主張したヒュルケンベルグは、次のように付け加えた。
「そうじゃないと、たとえ最速のクルマを手にしたところでどうしようもないからね」