元F1ドライバーのアレックス・ザナルディは、ロバート・クビサがF1に戻ってくることも可能だろうと考えている。
●【動画】ロバート・クビサ、6年ぶりにF1を走行。最高の笑顔で115周
2006年にポーランド人初のF1ドライバーとなったクビサだが、将来を嘱望されながら2011年シーズン開幕前にラリーレース中に起きた事故により大けがを負ってしまい、F1から姿を消してしまっていた。
■F1復帰は不可能だと考えられていたクビサ
その後、一時は切断の可能性もあった腕のリハビリに努めていたクビサだが、ラリーレースには復活したものの、フォーミュラカーの狭いコックピットの中で動かせるほどには腕のけがが回復しないだろうと、今から3年ほど前にはイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に次のように語っていた。
「僕は(腕を)動かすときには肩を使うしかないんだ」
■6年ぶりのF1マシンで115周を達成
だが、そのクビサが今週バレンシアで2012年のロータス・ルノーF1マシンを使って115周ものテスト走行を無事にやり終えたことが明らかとなった。
6年ぶりにF1カーのステアリングを握ったクビサはテストの後で満面の笑みを浮かべながらF1カーに再び乗れたことを喜びつつも、「これからどうなるかは分からないよ」と語った。
■パーマーの後任として2018年の復帰も?
だが、そのテストを監修していたルノーのアラン・パーメイン(エンジニアリング責任者)は、今回のクビサ起用は「1回限り」のものだと主張している。
しかし、ドイツの『Bild(ビルト)』は、ルノーは不振が続くジョリオン・パーマーの後任として、BMWザウバーに所属していた2008年にカナダGPで優勝を遂げた経験を持つクビサに来季のシートを与えるつもりではないかとのうわさもあると報じている。
■不屈の男ザナルディもクビサのF1復帰を期待
ところで、大けがを乗り越えてモータースポーツに復帰したドライバーと言えば、かつてウィリアムズなどで活躍し、1997年と1998年には2年連続CARTチャンピオンとなったことで知られるザナルディが有名だ。
2001年にドイツのラウジッツリンクで起きた事故により両足切断を余儀なくされたザナルディだったが、その後ツーリングカーレースに復帰。さらに、2012年のロンドンパラリンピック、2016年のリオデジャネイロパラリンピックではハンドサイクルで2大会連続の金メダルを獲得する活躍を見せたことも記憶に新しいところだ。
そのザナルディは、今回のクビサのテストについて質問されると次のように答えた。
「彼は100周以上をこなしたと読んだよ。だから彼はF1に復帰することも可能だろうね」
「それに、私の意見だが、ルノーが彼にテストをさせたのは単なる思い付きといったようなものではないはずさ」
そう語ったザナルディは、次のように付け加えている。
「私はそれ(クビサのF1復帰)を期待しているよ。彼はすごくいいドライバーだし、すごくいい人物なんだ。本当にいいやつだよ。それに、そうなればものすごい話題となるだろうしね」