セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、5回目のタイトル獲得の手応えをつかんだことで、ますます強くなるだろう、とベッテルをよく知る2人の元ボスが話している。
ベッテルは、シーズン開幕から3戦で2回優勝。現在、ドライバーズランキングでルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)を抑えてトップに立っている。
■「警鐘が鳴らされている」とラウダ
メルセデスAMGの非常勤会長ニキ・ラウダは、特にF1第3戦バーレーンGPでベッテルに敗れたことを重く見ている。
「われわれに対して警鐘が鳴らされている」
「バーレーンで勝った者は、続く3戦にある程度の余裕を持って臨める」とラウダは『Osterreich(エステルライヒ)』紙に語っている。
■「これまでで最高のベッテルだ」とベルガー
ベッテルのトロロッソ在籍中にチーム代表だった元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にこう語った。
「ベッテルの持ち味が今年のチャンピオン争いを決める可能性がある」
「今見ているのは、これまでで最高のベッテルだよ」
ベルガーは、今年のフェラーリの強さに驚いたと話す。
「シーズン前に賭けをしていたら、私はことごとく負けていたね」
「フェラーリがメルセデスAMGを倒せるとは思っていなかった」
■「こういうベッテルを倒すのは難しい」とマルコ
ベッテルを10代の頃から知るレッドブルのモータースポーツ責任者ヘルムート・マルコは、次のように語る。
「セバスチャンはクルマと一つになっている」
「限界まで攻めていることが多いし、どんなに小さなミスも犯さず、常に何をすべきか把握している。彼にとってドライビングが楽しくてしかたがない状況だ」
「こういう状態のベッテルを倒すのは非常に難しい。メルセデスAMGがミスをしていては、なおさらだ」
■0.3秒の差ではベッテルを抑えられない
また、匿名を希望するある現役F1ドライバーが次のように語ったと『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は伝える。
「ハミルトンには切れ味が足りない。1秒速いクルマがあれば、才能だけでどうにかなるだろう。でも、1周0.3秒速いくらいでは、もうベッテルを倒すことはできないよ」