2017年のF1はこれまでよりも追い抜きが減るのではないかと予想している者も多いが、トロロッソのカルロス・サインツがそうした見方に対して反対意見を述べている。
■新F1マシンでの2017年シーズンは追い抜きが減少?
2017年のF1マシンは、レギュレーション変更によってこれまでよりもダウンフォースが大きくなるとともに、グリップ力の高い幅広タイヤが装着されることになる。
空気抵抗が増えることにより、最高速度はこれまでよりも下がると考えられているが、コーナリングスピードの向上やブレーキングに必要な距離は短くなることから、1周あたりのラップタイムは昨年よりも4秒から5秒短縮されると考えられている。だが、その反面、これまでよりも追い抜きのチャンスは減ってしまうのではないかとの見方も多い。
■そういう判断は早計だとサインツ
今年トロロッソで3年目のF1シーズンを迎えるサインツは、そうした意見に関して、母国スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。
「どうしてそれが分かるんだい?」
「ここ数か月にわたって多くのネガティブな意見を耳にしてきたけれど、正直に言って、そういうことは好きじゃないな」
「それに、まだ僕たちがクルマのテストもやっていないのに、なぜみんながそんなことを言えるのか分からないよ」
「僕たちは新しいF1にするチャンスを得ているんだし、それがどうなるか様子を見ようよ」
「多分、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)はもっと効果が出ると思うよ。改善されたタイヤによって、もっと攻めやすくなると思うし、追い抜きだって増えるんじゃないかな」
■これまでより激しい戦いが見られるはず
サインツはさらに、2017年のF1はかなり改善されると思うと次のように続けた。
「エンジンはすでに1,000馬力に達している。これまでよりもかなり空力効果が大きくなっているし、みんなが望んでいる、かつての魅力的な時代と似たものになる」
「もう長いこと、これほど幅の広いタイヤを見たことはなかったし、ピレリ(F1公式タイヤサプライヤー)が言うには、それら(新タイヤ)はあまり性能低下も起きず、攻撃的な走りが可能になるらしい」
「追い抜きに関して言えば、2004年と2005年には何百万人もの人たちがテレビで見ていたけれど、あのころも追い抜きはそれほどなかったよ」
また、今年は競技ルールが見直され、ドライバーに対するペナルティーが減らされることも前向きなことだとサインツは次のように付け加えた。
「もっと激しさを増すだろうし、追い抜きも増えるはずさ。これまでは競技委員たちによって僕たちはかなりの制限を受けていたし、一貫性もなかった。今後は彼らも僕たちにもっと自由に戦う機会を与えてくれることになりそうだ。それこそみんなが望んでいることだよ」