1月初旬にメルセデスAMGを離脱することが発表された元技術トップのパディ・ロウだが、うわさではウィリアムズへ移籍することになるだろうと言われている。
さらに、メルセデスAMGがウィリアムズからバルテリ・ボッタスを引き抜くにあたって、ロウがウィリアムズでの業務を早期に開始できるという条件も合意に達したようだと報じられていた。
だが、今季のF1シーズン前テスト(2月27日~)開始まであと4週間ほどとなったが、まだロウの今後の去就に関する正式発表は行われていない。
■ウィリアムズでの最終条件合意がまだ?
そんな中、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』がこのほど、ロウの移籍問題に関しては「関係者がいまだに交渉中だ」と報じた。
同誌によれば、もはや「公然の秘密」であると認識されているロウのウィリアムズ移籍がなかなか正式に発表されない背景には次のようなことが考えられるという。
まず、ロウに関しては、単なる技術トップではなく、ウィリアムズの新チーム代表として迎え入れられるのではないかとのうわさがささやかれていた。だが、ロウの正式な肩書や条件に関することがまだ最終合意に達しておらず、その件に関する交渉が長引いているという可能性だ。
■フォース・インディアが難色?
また、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はもうひとつの可能性として、ウィリアムズ同様メルセデスからパワーユニットの供給を受けているフォース・インディアが、ロウのウィリアムズへの早期着任に関してその正当性を問題視していることがあるのかもしれないと報じている。
通常、チームの要職にあった人物がほかのチームへ移籍するような場合、機密情報管理などの面から、一定期間「ガーデニング休暇」と呼ばれる空白期間を設けることが一般的となっている。ロウほどの要職にあった場合、通常であれば1年ほどの期間はほかのチームで仕事を開始することができないという条件が設定されることが多い。
最強メルセデスAMGから、パワーユニットやシャシーに関する知識を持つロウがすぐに最大のライバルであるウィリアムズで業務を開始すれば、それはフォース・インディアにとってはかなり不利なこととしてとらえられるのは事実だろう。
■アリソンのメルセデスAMG加入は4月以降?
一方、メルセデスAMGではそのロウの後任として、2016年7月までフェラーリのテクニカルディレクターを務めていたジェームス・アリソンを迎え入れることになるだろうと考えられている。
だが、伝えられるところによれば、アリソンはフェラーリとの契約上、もうしばらく「ガーデニング休暇」を過ごすしかないようだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、アリソンに関して次のように報じている。
「フェラーリは彼を3月までは身動きできない状態に置いている」