ザウバーのチーム代表を務めるモニシャ・カルテンボーンが、新たなF1オーナーとなるアメリカのリバティ・メディアは、小規模チームに対してこれまでよりも公平な対応を行ってくれるものと期待していると語った。
常に財政難に苦しめられてきているプライベートチームのザウバーとフォース・インディアは、すでに1年以上も前に欧州委員会に対し、F1がEU(欧州連合)の競争法に違反しているとの申し立てを行っている。
F1における意思決定が、大規模チームを主要メンバーとするストラテジー・グループによって行われること、そしてF1における収益金分配に関しても一部の大規模チームが優遇されているというのがその申し立ての理由だった。
■EUの調査は順調に進んでいる
カルテンボーンは、ドイツのラジオ局『Deutschlandfunk(ドイチュランドフンク)』に対し、現在、その申し立てに伴う調査が着実に進められており、欧州委員会の担当部局との話し合いも行われていると次のように語った。
「私は、EUがこの件に関して非常に詳しい調査を行っていると確信しています。それは基本的に、競争がゆがめられていないかどうかという質問への答えは比較的単純だからです」
「私たちはこれが進展するよう取り組み続けていきますし、何かが起きることになると考えています」
■新オーナーとの話し合いも開始した小規模チーム
そして、ザウバーが期待する動きに関して重要な役割を占めることになるのが、現在正式にF1株式買収手続きに入っている新オーナーのリバティ・メディアだろう。
「フォース・インディアとともに、私たちはすでにその件に関してリバティとの話し合いを開始しています」
そう語ったカルテンボーンは、次のように続けた。
「私たちは初めてメディア業界からオーナーを迎えました。彼らはほかの分野における投資においても非常に成功を収めています」
「一連の話し合いを進めるにあたり、小規模チームもこうしたチームの重要性を訴える特定の権利を有しています。ですから、いい話し合いが進められるものと信じています」
■リバティ、コスト制限導入も検討?
F1の新たなオーナーとなるリバティ・メディアは、F1に一定のコスト制限を持ち込むことが必要だと考えているとも報じられている。
メディア界の雄と言われるジョン・マローン率いるリバティ・メディアが正式にF1のオーナーとなるにはいくつかの手続きが残っているようだが、ザウバーやフォース・インディアでは新オーナーが小規模F1チームに対してこれまでよりも公平な処遇を行ってくれることを強く期待しているのは確かだ。