レッドブルのヘルムート・マルコ(ドライバー育成責任者)が、メルセデスAMGがバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)の獲得を目指している理由はよく分かると語った。
フェリペ・マッサ、ウィリアムズ復帰へ合意 ボッタスはメルセデスへ
最近、メルセデスAMGでは2016年シーズン終了後に引退発表を行ったニコ・ロズベルグの後任としてボッタスの獲得を目指していることが明らかとなっている。
■マッサ現役続行、ボッタスのメルセデスAMG移籍が確定?
そして、ウィリアムズでは、やはり今季限りでのF1引退を表明していたフェリペ・ナッセが引退を撤回して2017年もドライバーを務められるようであれば、ボッタスの移籍を認めてもよいと考えていると伝えられている。
そんな中、マッサが引退を撤回し、2017年もウィリアムズのドライバーとして現役を続けることを承諾したようだとの報道も行われている。イタリアのテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』によれば、マッサはウィリアムズとの間で年俸600万ユーロ(約7億3,600万円)で2017年の契約を結んだと見られているようだ。
■メルセデスAMG首脳もボッタス加入を示唆?
さらに、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、2017年にボッタスがメルセデスAMGに加入する可能性が高いと示唆するような発言を行っている。
現在、ボッタスはメルセデスAMGの事実上のチーム代表であるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)がマネジメントにかかわっていることでも知られているが、もしボッタスがメルセデスAMGに加入することになれば、ヴォルフとの関係において利益相反的状況が生まれるのではないかとの質問を受けたラウダは、次のように答えた。
「それは簡単な話だ。もしボッタスが我々のところに来れば、トト・ヴォルフはもう彼(ボッタス)のマネジャーを続けることはできないというだけさ」
こうした状況を見れば、2017年にはボッタスがメルセデスAMGに移籍し、マッサが少なくとももう1年ウィリアムズで現役を続けるというシナリオで物事が進んでいる印象が強い。
■メルセデスは自分たちの育成プログラムを信頼していない?
しかし、ライバルチームであるレッドブルのヘルムート・マルコ(ドライバー育成責任者)は、メルセデスAMGは自分たちのドライバー育成プログラムに所属しているドライバーの中からロズベルグの後任を選ぶべきだと考えている。
「つまり、パスカル・ウェーレイン(マノー)のことだ。もし彼を選ばないのであれば、それは(メルセデスAMGが)自分たちのプログラムを信頼していないということになってしまうからね」とマルコは主張した。
■フェルスタッペンも最初はトロロッソにいたとラウダ
だが、このマルコのコメントに対し、ラウダは次のように反論している。
「はっきりさせておこう。指摘されたように、我々には若手育成プログラムがある。だが、その目的はドライバーたちに経験を積ませることなんだ」
「もちろん、我々もウェーレインを選択肢として協議することはできる。だが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)だって最初はトロロッソにいたことを指摘しておきたいね」
■ドライバーの総合力ではレッドブルが最強だとマルコ
しかし、マルコは、なぜメルセデスAMGがウェーレインではなく、ボッタス獲得を目指しているのかはよく分かると次のように語っている。
「ロズベルグが去ることにより、レッドブル・レーシングが最強のドライバーたちを抱えることになるのは明らかだ。メルセデスAMGが若手ドライバーを使うというリスクを負わず、予測可能な資産としてボッタスを使いたいと考えているのは、そのためだよ」