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【ル・マン24h】『限界超え追い込まれた』優勝のポルシェ、 “3ヵ月分の電力を発電”詳細データを公表

2016年06月23日(木)19:02 pm

2016年のル・マン24時間レースで優勝したポルシェが、公式リリースを発表。ル・マンで何が起こっていたのか、どんな状況だったのかを分析したレースデータを発表した。

●ポルシェ、豊田章男社長のコメントを添えトヨタに敬意を表す「素晴らしいレースをありがとう」

■ポルシェが分析したル・マン24時間

ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)が参戦した第84回ル・マン24時間レースは、2016年6月19日に迎えたその劇的な幕切れにより、いつまでも記憶に残ることだろう。

トップを走っていたトヨタが最終ラップでストップし、ポルシェは通算18回目となる総合優勝を果たした。この日本のメーカーとの間で繰り広げられたハイペースな激しい一騎打ちにより、何度もトップが入れ替わり、誰もが限界を超えるまで追い込まれた。

■究極の戦い。最後まで決して諦めなかった

ポルシェAG社長のオリバー・ブルーメは、チームのガレージからその様子をじっと見守り続けた。
「ル・マンで起きたことは、ほとんど理解できません。このレースは開始から最終ラップまで、スポーツとテクノロジーに関する究極のレベルの戦いであり、同時にスリリングでもありました」

「レースでは、私達の車両、ドライバー、チームには極限状態が求められます。私達は常にトップに立っていたか、もしくはトヨタを射程距離に捉えていたかのいずれかでした。私達は最後まで戦い続け、決して諦めませんでした。この精神が最後に報われました。私達は、トヨタに最大限の敬意を払います」

●【走行距離】
優勝したカーナンバー2のロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、384周(5,233.54km)を走った。

●【レースリード周】
カーナンバー2は51周にわたってレースをリードした。
一方のカーナンバー1のティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、レース最初の3分の1が経過するまで52周にわたりトップに立っていた。

●【昨年比のレース距離】
セーフティカーピリオドやスローゾーンのために何度も減速を強いられたため、レース距離は2015年と比べて約150km短くなった。

●【完全なレースペース】
384周のうち327周において、カーナンバー2は完全なレースペースで走ることができた。
それ以外の57周では、セーフティカーがコースに入る、またはひとつ以上のスローゾーンが設けられていた。それにより、全長13.629kmのコースの特定区間において安全上の理由から速度がわずか80km/hに制限された。

●【セーフティカー回数】
レース全体を通じて、合計4回のセーフティカーピリオド(16周)と24のスローゾーンが設けられた。

●【ピットでのタイム】
カーナンバー2は、給油とタイヤ交換のために合計38分5秒をピットで費やした。
カーナンバー1は、ウォーターポンプの交換とそれに伴う損傷修理を行ったことが原因で、合計59分14秒をピットで費やした。

●【平均速度】
優勝したポルシェ919ハイブリッドの平均速度は216.4km/hだった。

●【最高速度】
ポルシェ919ハイブリッドのレース中の最高速度は333.9km/h で、50周目にブレンドン・ハートレーによって達成された。

●【発電量は、一般家庭の3ヶ月分】
ポルシェ919ハイブリッドは、1周あたり2.22kWh(8メガジュール)を回収して使用した。もしこれが発電所であれば、1軒の住宅に3ヵ月分の電気を供給することができる。

●【給油回数】
カーナンバー2の給油回数は30回、カーナンバー1は20回だった。

●【タイヤ使用数】
カーナンバー2はレース中に11セットのタイヤを使用した。最初のセットはレインタイヤで、それ以外は全てスリックタイヤだった。

●【1回の最長走行距離】
1セットのタイヤでの最長走行距離は、マルク・リーブの運転による53周だった。

●【最短ピットストップ】
ポルシェチームによるタイヤ交換とドライバー交替を含む最短ピットストップ時間は、1分22.5秒だった。

●【給油のみの最短ピットストップ】
給油のための最短ピットストップ時間は65.2秒だった。

●【シフトチェンジ回数】
優勝したポルシェのギアボックスは、24時間に22,984回の変速(シフトアップおよびシフトダウン)を行った。

●【最長運転時間】
優勝車両の最長運転時間は、ニール・ジャニによる9時間24分。この車両の室内で連続して最も長い時間を過ごしたのはロマン・デュマだった。

●【ドリンク量】
ドライバー達はスティントごとに0.85リットルの飲み物を車内に備えた。ドリンクボトルは給油ストップのたびに補充された。

●【捨てバイザーならぬ捨てウィンド】
最大限の視界を得るために、プロトタイプはフロントウインドウに4枚のティアオフを備え、汚れた場合に1枚ずつはがされた。

●【気温】
レース中の最高気温は17時30分における22.4℃。最低気温は6時15分における12.3℃。

●【データ送信量】
24時間を通じて32.11ギガバイトのデータが、カーナンバー2からピットへ送信された。

●【WECのランキング】
FIA世界耐久選手権の3戦が終了し、ル・マンでは2倍のポイントが与えられたことから、ポルシェは現時点で127ポイントを得て選手権をリードしている。そして、アウディ(95ポイント)、トヨタ(79ポイント)と続く。
ドライバーズランキングでは、デュマ/ジャニ/リーブ組が94ポイントを獲得し、2位に39ポイント差をつけてトップに立っている。ベルンハルト/ハートレー/ウェバー組は、現在3.5ポイントで19位。

●【ハイライト動画】ル・マン24時間2016 24時間後の劇的なドラマ

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