5日(木)にレッドブルが次戦F1スペインGP(15日決勝)から、トロロッソのマックス・フェルスタッペンを昇格させ、入れ替わりにダニール・クビアトを再びトロロッソに降格させることにしたとのニュースが伝えられ、大きな話題となっている。
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■最初の挫折を味わったクビアト
昨年17歳でF1デビューを飾ったマックス・フェルスタッペンがまさに順風満帆の勢いで早くもトップチームのシートを獲得。今後、ライバルチームや、強力なチームメートであるダニエル・リカルドとのチーム内バトルがどのように展開されていくのかということに注目が集まることになる。
だが、そのフェルスタッペンとは逆に、22歳のクビアトにとっては、今回の一件は自身のキャリアにおける大きな挫折だと受け止められても仕方ないだろう。
2014年にGP3から大抜てきされ、期待の新星として19歳でトロロッソからF1デビューを飾ったクビアトは、さらにそのシーズン途中でセバスチャン・ベッテルの離脱が決定したことにより、わずか1年でレッドブルのシートをつかんでいた。
だが、そのトップチームでの生活も23レースでいったん終わりを告げられ、次戦からはまたトロロッソで一から出直しということになる。
■クビアトは幸運だとレッドブル首脳
マルコは、クビアトに関してイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「我々が今回の決断に至ったのはたった2つの事故だけがその理由ではない。それ以外のレースにおいても、クビアトには一貫性がなかったのだ」
「彼は大きなプレッシャーを抱え込んでいたし、我々としては彼が必要としている心の平安を取り戻すためには、トロロッソに戻すことが正しい方法だと信じている」
「彼は才能豊かな男だし、まだ若い。また復活することも可能だよ。彼は幸運だとも言える。なぜなら、我々が2チームを所有していることでドライバーを入れ替えることが可能だからだ。我々は、彼のF1キャリアを奪ってしまうようなひどい仕打ちをしたわけではない」
■クビアトには「拾う神」出現の期待も?
だが、クビアトのトロロッソ降格に対しては同情的な見方をする者たちも多い。
現役ドライバーの中では最多F1出走数を誇るマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンは、ソーシャルメディアを通じて今回の降格に疑問を投げかけていた。
さらに、メルセデスAMGの事実上のチーム代表であるトト・ヴォルフも、クビアトを高く評価しているようだ。
「彼は非常に速いよ。彼が本当にいい性格をしているという事実を別にしても、彼は上海(中国GP)で見せたように、F1でシートを得るにふさわしいドライバーだ」
ロシアの『Tass(タス通信)』にそう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「もし彼がこれまでと同じような運転を続ければ、どのチームにとっても彼は候補者となりえるだろうね。だって、彼は速いよ」