今週末、ついに2015年F1シーズンの最終戦アブダビGP(29日決勝)が行われる。
今季はすでにドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルのゆくえも決まってしまっており、その意味では消化レースとなってしまった最終戦だが、来季を占う意味でも、メルセデスAMGとフェラーリの攻防、そしてマクラーレン・ホンダの開発レベルといったところに興味が集まることになりそうだ。
■注目が集まるランキング4位争い
そして、もうひとつの注目ポイントが、ドライバーズランキング4位をかけた争いだろう。
現時点でランキング4番手のバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)は136ポイント。ランキング5番手につけているキミ・ライコネン(フェラーリ)はわずか1ポイント差の135ポイントだ。
ランキング6番手のフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)にもまだ数字上のチャンスは残されているが、ボッタスからは19ポイント、ライコネンからは18ポイント離されており、これを逆転するには自分が優勝してボッタスやライコネンが7位以下になることが必要となる。このため、事実上マッサに逆転のチャンスはほとんどないだろう。
事実上、ランキング4位争いで一騎打ちの戦い繰り広げることになるボッタスとライコネンは、ともに同じフィンランド出身だ。だが、第15戦ロシアGPと第17戦メキシコGPでは2度にわたってお互いがからむクラッシュを起こしていた。
特に、今シーズン前半には、フェラーリがあまり調子のあがらないライコネンとの契約を延長せず、2016年にはボッタスをその後任としてスカウトするようだとのうわさがささやかれ続けていたこともあり、ある意味では因縁の関係ともなっている。
このフィンランド人ドライバー同士のランキング4位をめぐる戦いにどういう決着がつくのかも、アブダビGPでの大きな見どころのひとつとなるに違いない。
■自分が最強だとボッタス
ブラジルの『UOL(ウニヴェルソ・オンライン)』から、最終戦でのライコネンとの戦いについて質問を受けたボッタスは、「もちろん、僕らのより強いクルマを持っているドライバーの前でゴールできればうれしいだろうね」と答えている。
さらに、現在のF1ドライバーの中では、誰が最高だと思うかと質問されたボッタスは、ほほ笑みを浮かべながら「僕以外でって意味?」と答え、次のように続けた。
「F1では自分自身を信じることが必要だし、僕は本当に自分に自信を持っているんだ。だから、僕はグリッド上では自分が最高のドライバーだと言うべきだろうね。自信を持つことが重要だと思っているからね」
そう語ったボッタスは、次のように付け加えた。
「僕は自分の能力を信じているし、時間とともにもっと成長していけると思っているよ」